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2005年9月

2005/09/26

シャンバラ結局何回観たっけ?

そろそろボケが来そうです。
えーと、結局13日に会社を早退するところを半休に切り替えて30回目を新宿シネマミラノで見たよね。
その週の金曜日が結局どうしてもレッスンサボれなくて、土曜日(17日)にマイカル板橋で見たのが31回目。
で、昨日は兄弟オンリーの後にニュー八王子シネマに行ったから32回目。
あ、32回か。これでラストかなぁ。
2日はどうしても身動き取れないから、出来れば1日に行きたいけど。思いっきり映画の日だし……。
ちょっと辛いなぁ(でも行きたい)。

32回目にして、ラストに出てくるラスト(ややこしいなぁ)がすごく穏やかな顔をしている事にはじめて気が付きました。
うんうん、スカーと幸せになれたんだ。よかったねぇ。
あ、ってことは、スカーの兄ちゃんはどうしたんだろ??

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「日本全国徹底調査!好きなアニメランキング100」

実は録画に失敗して見れなかったんですけど。
鋼の錬金術師は20位だったそうです。
まあね。アンケートの年代もあるし?
テレ朝の番組なんだからある程度の改竄はありだろうと思ってそれはそれでまあ良しとしておこうとか。
朴さんと理恵ちゃんも出てたみたいだし♪
なんてお気軽に思っていたら。

インターネットでの投票による最終結果はテレビでは1位だったガンダムに1000票差を付けて、ハガレンはぶっちぎりの1位ですよ。
ある方が、実際にテレビ局に電話して確認された処、テレビ放送の順位は街頭調査&インターネットでの投票。ネット上の順位は、インターネットでの投票のみ、なのだそうです。

……ちょっとテレ朝、あまりにもひどくない? ってかこんな事やってて自分達が恥ずかしくないかなぁ。
自局の番組が取れなかったからって、そこまでライバル局の番組を引き下げるかぁ?
そんなに、自局の宣伝がしたいなら、自局内だけでのアンケートにしてくださいってばもう、怒るよっ。

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2005/09/21

好きなアニメランキング

明日は日本全国徹底調査!好きなアニメランキング100ですよ!!
明日の夜は高速バスの中なので絶対録画を忘れないようにしなければ。
朴さんが出るんだよね、朴さん。楽しみ~。
ハガレンは何位かなぁ。

なんでも今度の「聖矢」のアニメでは声優さんが変わるのだそうで、この番組に投票して前作がどんなに良かったかを抗議とする(のかな?)とか。 
さらにそれをZファンがフォウ・ムラサメの声が変わった事で同士意識なのか応援する、とか。
どうも裏で色々ありそうなんですけど。
なんか…なんか……ねぇ。

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2005/09/19

劇場版 鋼の錬金術師 ネタバレ感想11

ちょっと書き落としがあったので前後してます。

萌え抜き

●「ハウスホーファーの別荘に行くのではないのかね?」
さて、どうしてエドは直接ハウスホーファーの別荘に行かず廃城へ複葉機を取りに行ったのでしょうか?
うっかり忘れてたけど、「大学教授の別荘にしては警備が厳し」かったんだよね。
下からの潜入が無理なら、上から行くしかなかったわけです。
が、エド。あんた一応普通の人間なんだから、絶対あんな高さから落ちたら死ぬってば。
まさか錬金術世界時代のクセでうっかり……とか?(笑)

●「どこの国にも属さず旅を続けるのがお前たちの誇りだと思っていた」
エドがそんな風に思っていたというのが驚きでした。
グレイシアさんのように迫害される可哀相な人種への同情とは言わないまでも、助けた行きがかり上途中で放り出すわけにもいかず、程度だと思っていたんですよ。ところが。
エドはエドなりに、ノーアの生き方を尊敬していたんだろうな。
同じようにどこの国も属さない存在でありながら、そんな事に負けず魂の自由だけは手放さない気概を持つノーアと、アルが元の姿に戻ったと誤認識したくなるような現実に捕らわれハイデリヒの側を離れられない自分とを比べて、色々思う処はあったのだと思う。
だから、自由を手放しナチスの元へ下ったノーアにどこか侮蔑を込めたような響きでエドはああ言ったのだと思う。

●「あんた何してるんだ」「こちらの魔術と科学でなんとか、あちらへの通路を造ってみたくてな。ハウスホーファーに持ちかけたんだ」
質問です。ホーエンハイムはただ漠然と、こちらの魔術と科学であちらへの通路を造れるかもしれない、とハウスホーファーにと持ちかけたんでしょうか?
いやいや、トゥーレ教会という名前は知らなくとも、ハウスホーファーの所属している団体と一緒に道を探していた事をエドは知っていたはず。少なくともハウスホーファーの名前を知っていたのだし。
ってことは自分がエンヴィーの贄になればこちらの魔術と科学であちらへの通路を造れるかもしれない、ってことをハウスホーファーに持ちかけたってことですか?
ったく、この子供にしてこの親ありだ。
エドの自己犠牲精神はホーエンハイムのDNAが原因のようです。

●「何でこんな奴らに手を貸した!」
そこでホーエンハイムがざーとらしく錬成陣なんか見ないで、無言でエドに笑いかけて、エドがふと天井の錬成陣を見て合点がいく、って感じの方が、パパの株は上がっただろうになぁ。と思ったらシナリオブックがまさにそれでした。
なんで変えたんだろ。

●「そんなものいらないんだ俺は」「アルによろしくな」
最後まで会話噛みあってないよこの親子、と最初は苦笑していたんですけど。
「お前がアルのいない世界でまともに生きていけない事くらい知ってるよ」って。
(こら。そこ萌えにとらなくていいから・笑)
「アルの処に帰してやるよ」って。
そんなホーエンハイムの愛情から出てきた言葉なんじゃないかなと思えて、なんのかんの言ってエドの事をちゃんと分かっていたんだな、と思ったら嬉しくなった。

●門の錬成
「僕たちを錬成しろ。その時門は開く」
「私の命を代償にエンヴィーを門へ錬成する」
同じようなことをしているのに、何故アルは無事でホーエンハイムは死んだのか。
何故ラースの前に門があるのに、天井にも門があるのか?
この場合。門は錬成するものではなく、人体錬成を行うと現れるものだったのでは? という概念をまず捨てましょう。
書くと長くなるんで割愛しますが、ここでその定義を持ち出すと分けわかんなくなります。いや、なりました(笑)。

あの門は原作でいう心理の扉ではなくグラトニーのお腹の擬似扉と同じもの。
ホムンクルスを擬似門に錬成した、と考えるべきなのでしょうね。
ホムンクルスは人間じゃないから人体錬成に値しないのはテレビ版で証明済みですし。
画面を見た限りホーエンハイムは消滅しています(シナリオブックにもあり)。血の流れるエンヴィーの口元に彼の手足が見えません。
エンヴィーに殺されたとことでいうより、ホーエンハイムが自分の身体から大量の血を流すことで錬成反応を誘発させ、その結果身体を全て代価に(リバウンドで)持っていかれたと考えるべきなのでしょう。
同じようにアルはグラトニーを門に錬成。錬成陣の中央にラースという代価を置くことにより発動させたので、こちらはアルへのリバウンドはなし。
だから、天井に門がありつつ、ラースの前にも門が開いた。という二重の状態も有り得た。
理屈あってます?

●グラトニー錬成
アルがここで手を当てたあと、ゆっくり頭を下げてます。
それだけでアルの辛さとか伝わってきてねっ。好きなんですよぉ。

●「扉の中で起こりうる現象を突破し向こう側に達する」
向こうから帰ってきた鎧がぼこぼこの死体だったなんて事実を知らないから、無邪気にこんな事が言えるんだろうけど。
エッカルト自らが行こうとしているから、保証はあるのだろうと思って乗せたのだろうけど。
もしかしたら、本当にエドが邪魔だったんじゃなかろうかとつい思ってしまったり(笑)。
でも本当にこのシーンだけなんだよね。エドとハイデリヒが顔を見合わせて会話をするシーンて。
一度、喧嘩上等でお互い本音をさらしていればもっと分かり合えたのかもしれないのにね。

●「僕は僕だ ここにいる」
ともかくこの台詞に関してはやられた感が大きいです。
一番最初にこの台詞を知ったのって冬フェスで流れた劇場予告編で、一番お気に入りの台詞として監督があげていた時です。
この時点でハイデリヒというキャラクタはまだ伏せられていました。
その後、この予告編は公式サイトにて期間限定で流れました。忘れもしない。期間は2月9日まで。
翌日アニメ誌で一斉にハイデリヒの存在が公表されました。
まず、ここで一度目のやられた。
アルのそっくりさんということは、この台詞はハイデリヒのものかもしれないと気づき、監督のコメントを聞き直そうにももう期限切れでリンクは消滅。
その為のこの中途半端な9日という数字だったのか、と商売の上手さに唸った記憶があるんですよ(笑)。
だからこの時点では、アルかなハイデリヒかな。もしかしたらユニゾンで言わせるとかしたら面白いよね。
と友人と話したりしていました。
ところが、公開日が迫ったある日、芸能ニュースで流れた小栗くんのアフレコ風景が見事にこのシーン。
これが二度目のやられた(笑)。芸能ニュースの馬鹿ー、楽しみが減ったじゃないかって歎いてました。
だから、期待を煽られたあげく、もう期待はしてなかったんですよ、この台詞。
ところが、実際に画面で見てこの台詞を聞いた時。
「あっ」と思い出したのがアルのソングファイルの「ボクハココニイル」。
ハイデリヒがアルと同じことを言ってるっ!
CDは3月発売だったので、期間限定の予告も終了した後で、すっかり忘れてました。
まさかその為に発売日を変更したのでは? とマジ疑ったり(笑)。
アルが実際に作品中言っている台詞がなかったとしても、ファンなら、少なくとアルファンならこの言葉を知っている。
ユニゾンにする必要さえなかった。
ハイデリヒはアルではないけれど、魂の根っこの部分はきっと同じ存在なんだっ。
本当に私は、ハイデリヒに対して引いていて、アルに似てるのにアルじゃない。アルと全然違うじゃないか。アルを出せ~、とか(笑)。妙にハイデリヒを色眼鏡で見ていたのだけど。
この時、はじめてハイデリヒの存在を受け入れられた気がしました。
だから。多分、エドも同じだったんじゃないかと思えた。
このあたりは感想2にも書いてますけど。
ハイデリヒごしにアルを見つつ、でも、髪も目も声もしゃべり方も違う。
あ、そうかハイデリヒはアルじゃなかったんだっけ。
それの繰り返しだったのが最初の頃。
それから。アルに出会えたらアルの事ばかり気になって。
ハイデリヒごしにアルを見ることすらやめた。
そして、この言葉を聞いてはじめて、ハイデリヒの存在が目の前に見えた。
私は、ずっとエドと同じ目線でハイデリヒを見ていたのじゃないかと思えた。
この見解に関しては、ハイエドファンなら違うっていうだろうな。
でも私、アルファンだから、ね(笑)。

●「連れてって エド!」
ここのストーップモーションがすごく綺麗っ。
がっと出ていたスピードがふっと浮遊した感じで止まって、また更に加速するっ。
アニメとしてはベタな書き方なのかもしれないけど好きです。

●ハイデリヒの死に顔からアルへオーバーラップ
同じ魂を持つ存在(もう勝手に決め付けてます・笑)が意図せず協力してエドを帰そうとする。
ハイデリヒはハイデリヒに出来る全てをかけて。
アルはアルに出来る全ての力を使って。
ハイデリヒの望みを、まるでアルに託すように繋がるこのシーンが好きです。

(まだまだ続く予定)

あ、今回萌えがいっこもないや(笑)。

鋼映画の感想を書かれているサイトでIsolation Diaryさんが最近お気に入り~と思ってこそこそ覗いていたら、14日でもう映画感想は終わりなのだそうで。淋しいな~。

もうこれで「アニメのことをマジ語りするのキモイ」という自分からの罵声に耐える日々も終わりです。

だそうで(笑)。いや、分かります。
小説書くのとどっちがより恥ずかしいって、こっちかもとか思ったりするもの(笑)。
でも実はマジ語りって好きだったりするし。
どう読んでも見落としている部分に気づかず作品批判している感想を読んだりすると、「いや違うんだ」と思ってしまう気持ちが抑えられなくて、私はあともう少し書いてます。ラストまであと少し。

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2005/09/15

まあたまには。

公表するか迷っていたんですけど。
テレビ版最終話のAパートからBパートまでの間のアルを補完したくて、最終話を見終わった直後に浮かんだ話です。
映画公開ぎりぎり手前になんとか書き上げて、数少ないハガレンファンの友人1人に見せてそれでおしまい、となっていたシロモノです。
なので映画との齟齬ありまくりです。

それが、映画の内容が内容だったもので思わずこんなブログ立ちあげちゃったしっていうのと、今回原作に出てたエルリックテレパシーが大うけでねぇ(笑)。まさか原作でそれをやるとは思わなかったで。
実はこんな話書いてたんだよ。って気持ちもあって載せる気になりました。
同人誌なんてトルーパーが最後の人間なので、文章へたれなのはご勘弁を。

タイトルは、劇団ショーマの「ある日、ぼくらは夢の中で出会う」(高橋いさを・脚本)から。
(そういえばこの話も、登場人物と良く似た人間(同じ役者なんだからあたりまえだけど)がわんさか出てくる話だったなぁ)
冒頭のモノローグも同じく、「ある日、ぼくらは夢の中で出会う」の台詞からです。
もともと、これを使いたくて書いたようなものです(笑)。
ではでは。ご賞味いただければいいのですが……。

          ************************
 
ある日、ボクらは夢の中で出会う
 
その日ぼくは、とても新鮮な気持ちでひとつの門の前に立っていました。新しいものに触れる時、人は誰でも新鮮な気持ちをかみしめるものなのでしょう。
何か言っても自分の言った言葉が白々しく響き、何がホンモノで何がニセモノなのかわからないような時代ですが、ぼくは元気です。
もうすぐ冬がきます。冬だからと言って「おからだを大切に」と話しかけることは、いささかオリジナリティに欠けることかもしれませんが、これが一番いいと思うのでやはりぼくはそう呼びかけます。
おからだを大切に。
ぼくは元気です。

          ****

春の陽差しのような光だった。
錬成陣の中央で静かに立ち上る熱は、やがてやわらかな風を起こし天上へと突き抜ける。
脱ぎ捨てられた上着はその風にあおられるままに上昇し、そして。

          ****

十歳
温もりを感じさせるものは他に何も無かった。
身体の下にはひんやりとした硬い感触。
ぴかぴかに磨かれた床の埃りっぽい匂い。
寒くて、冷たくて、無意識にその上着をたぐり寄せていた。
また二人して、父さんの書斎で眠っちゃったんだっけ?
さらにずりずりと上着を首まで引き上げると、ほっこりと温かくて、でも代わりにお腹と足がちょっと寒くって。
どうも毛布がわりにするには少し丈が短いらしかった。
仕方がないので赤ちゃんみたいに身体を丸めてみる。
鼻の頭をこすりつけると襟が汗くさくて、でも頬に当たると今さっきまで誰かが着ていたのかな、と思える温もりにほんのちょっとロ元がほころんだ。
兄さんの匂いだ。いつだって兄さんはお日様の匂いがするからすぐ分る。
ずるいな。いつのまにこんな上着買って貰ったんだろ?
母さんが起こしにきたら言わなくちゃ。ボクも兄さんとお揃いのが欲しいって。いっこ大きいサイズをねって。ちゃんとつけ加えて。
……あれ?
ボクは上着から顔を出した。
違う。母さんならもう半年も前からお墓の下だ。
ぶるぶると頭を振ってみる。
ああダメだ。なんだかまだうまく頭が回っていないや。

ボクらは昨日、修行から帰ってきたばかりだったけど、その足で錬成に必要な材料を買いに行った。
それから。
ちゃんと吟味しないとダメだ、なんて兄さんは高いものばっかり選ぶからちょっとケンカになって。
買ったものから、ばっちゃんにばれるとまずいって、ウィンリィの家の前を素通りして。
シチューのいい匂いがして二人してお腹がぐーって鳴って。
兄さんの顔を覗き込んだら、まるで犬が耳をペたんと垂れるみたいにすっごい情けない顔をしていて。
「なんだよ」てロを尖らせてたけど、食べたかったんだろうなって思って。
それでもボクらはやめる気なんて、さらさらなくて。
買ってきたパンでお腹をなだめ、兄さんは錬成陣を床に刷きはじめた。

ひとつの間違いもないよう真剣に、でもどこかウキウキとかワクワクとかそんな嬉しそうな表情を浮かべて錬成陣を書く兄さんを、ボクも多分きっと、兄さんと同じような顔をしてみつめていたと思う。
光を放った錬成陣の、その確かな感触にボクらのワクワクはピークに達した。そして。

そして?

「……兄さん?」
――そうだ。ボクたちは。
身体を起こすと、見憶えのない黒い上着は肩からするりとすべり落ちた。
そう、ボクたちは。
母さんを錬成し損じたんだ。

「兄さん。 答えてっ。兄さん!」
どうして気づかなかった? 見覚えのない。ここは………どこ?
身体の芯が何かにぎゅっと締め付けられたような気がした。
呼吸が、できない。苦し。
――どうした? アル。
兄さん、お願い。そう言って。
――はーん。寝ぼけたんだろ。
言って、笑って。ボク振りかえって言うから。
――あのねっ兄さん。
呆れられたりしないよう。
心配させ過ぎたりしないよう。
でも、少しだけ心配してね。
そんな風に細心の注意を払って言うから。

「あのね。兄さん」
恐い夢を見たんだよ。
兄さんと離れ離れになってしまう夢なんだ。
何かわけの分からないものにボクはひっぱられていた。
兄さんはボクの名前を叫んでボクを引き戻そうとしてくれたよ。
ボクも一所懸命手を伸ばした。でも、ボクの手は兄さんに届かなくて。
すごく悲しくて怖くて心臓が痛かったよ。
――ア~ル~ぅ。兄ちゃんはここにいるだろぅ?
「アル」ではなく「アルぅ」と。
ボクが悲しい時、兄さんはほんの少し間伸びさせてボクの名を呼ぶ。
兄さん特有の母さんとはまた違うどこか甘い柔らかな響きで。
怖い夢を見た時。風邪で心細くなった時。猫を拾って母さんに怒られた時。
いつだって兄さんはぎゅっとボクを抱きしめてそう呼んでくれた。
そして額にキスをひとつ。
――次はいい夢が見れるおまじないな。
言って。
いつもみたいにニカっと笑って(ボクはその顔がすごく好きなのだ)…。
いつもみたいに。いつもみたいに。ねぇ、いつもみたいに……。

……ねぇ。「兄さん」
なのにどうして返事がないのだろう。
「兄さん。隠れてないで。出てきてよ」
返事が聞こえないと心細いよ。返事してよ。
ねぇ、怖い夢を見たんだよ。兄さんがボクの前からいなくなる夢なんだ。
だから。ボクの側に来て。隣りに座って。ボクに笑いかけて。ボクにキスして。
「そんなの夢だよ」って言って。笑って。
お願いだから。
兄さん。

「それでは、工ドは………………のね」
白いドレスの女性の声にボクは振りかえった。
村では見たことのない褐色の肌の女の人。こんな人、知らない。
勝手に兄さんの名前を呼び捨てにしないでっ。
何言ってるの?
全然分んないよっ。
心の中でわめいたのかロに出して言ったのか、もう自分でも分らなかった。
それでも何故かその言葉は、パズルの最後の一片のように力チリとボクの胸の中で収まった。
『それでは、工ドは門の向こうに行ってしまったのね』

誰かが遠くで悲鳴をあげた。そう思った。

          ****

十四歳
遮るものが何も無い川ベりは、タ陽を浴びてすっかりオレンジ色に染まっていた。
川も、地面も、兄さんの上着も、何もかもがオレンジ色だった。
「どうしてあそこに居るって分かったの?」
前を歩く背中をみつめながらボクはそう尋ねた。
「進歩ないからな」
「え?」
「お前っ。いつもケンカしたあとは川辺でずっといじけてただろ」
バカ兄っ。いじけてた、は余計だよ。
そんな突っ込みさえ出来なかった。
なんで? なんでこの人は、こういう事をまるで当たり前のようにさらっと言えてしまうのだろう。
自覚ある? 分ってる?
お前のことは昔から何でも知ってるよって。
何も変わってない。お前は間違いなくアルフォンス・工ルリックだよって、まるでそう言ってるように聞こえるよ?
あなたがそう言ってくれるからボクがアルでいられるってこと、あなたは分ってるの?

「そっか」
――手を。繋ぎたいな。
意味もなくそう思った。
そんなことしたって何も感じないって分ってる。分ってるけど。
どれだけボクが感謝してるか、どれだけボクが嬉しいか、どうやったら伝えられるのかが分らない。

抱きしめたいな。
手を繋ぎたい。
兄さんに触れたい。
「だからさっ、アル」
振り返った兄さんの大きく揺れた金色の髪は、タ暮れのオレンジを乱反射してその毛先の1本1本までも輝かせていた。
そしてボクの目の前に左手がゆっくり差しだされる。
(ほら、兄さんはボクのことなら何でも分かってくれている)
ボクらは神様なんて信じていない。
けれど。多分こういうのを『神々しい』というんだ。
兄さんの顔は、夕闇で良く見えなかったけれど、どんな顔をしているのか、何を言おうとしているか。
ボクもすっかり分っていた。

          ****

十一歳
「……っ」
ずっと。ずっと長い夢を見ていたような気がする。
肌に感じる空気の冷たさが、今が冬だってことを教えてくれた。
季節はいつのまにか変わっていた。
ボクはゆっくり体を起こす。

ひとつきりのベッド。ひとつきりの机。
ボクの家とは違うその間取り。ドアに叩きつけられた何かの残骸。散らかり放題の部屋。
かすれた声(喉が痛い)。
朝日を浴びることさえすごく久しぶりだと感じた。カーテンの隙間から細く差しこむ光すら眩しくて手をかざす。
青白くて細い指はなんだか自分の手じゃないみたいで気持ちが悪い。
指先から易々とすり抜けてくる光が目に痛かった。
――アル。眩し。カーテン。
隣りのベッドからそんな声が聞こえた気がした。
ボクはベッドを飛び降りる。
たったそれだけのことなのに、足に伝わる振動にちょっと身体がよろけた。
筋肉の落ちた足が、身体を支えられなくなっているんだ。
また鍛え直さなくちゃ。そんなことを考える。
素足のままぺたぺたと窓辺へ歩いていく。
冬の朝は寒くて床板は氷の上を歩いているみたいに冷たかった。
冷気が背中を這い上って頭まですっきりさせてくれる。
ああもー、ホントに体力落ちまくてるなぁ。
ボクは窓辺にたどり着くとカーテンにしがみつくようにして身体を支えた。
――アル! バ力やめっ
兄さんの声。
強く、強く布を握りしめ呼吸を整える。
本当にこれでいいのか? 後悔しないのか? 誰かの声が聞こえてくる。
後悔なんてしないもんか。
いつだってこれが最良だと思うのに、いつだってボクは間違えるんだ。
母さんを錬成しようと兄さんが言いだしたとき、どうしてボクは止めなかったんだろう。
「兄さんさえそばにいてくれれば何もいらない」たった一言そう言えば良かったんだ。

「そうすれば、こんなことにはならなかったっ」
思いっきり大きく力ーテンを開き振りかえったボクの目に、兄さんの顔が小さく歪んで見えた。
「お早う、兄さん。いい朝だよ」
笑いかけると、兄さんの大きな金色の目からは今にも涙がこぼれ落ちそうだった。
「兄さっ」
力ーテンが。風にあおられ大きくはためき、窓から差し込む朝日が、部屋をくっきり映しだした。
兄さんの囗が何かを言おうと動いたけれど、ボクの耳にはもう届かない。
――おれがきらいになったの?
兄さんの唇の動きはそう読めた。ボクはゆっくり首を振る。

「大好きだよ。兄さん」

あなたのいない現実が認められなかったくらい大好きだよ。
例えそれがボクの心が生み出した幻だったのだとしても。
分かっていても手放せなかったくらい大好きだよ。

光が部屋全体に注ぎこむその中に、もう兄さんの姿は見えなくなっていた。

ふいに。ドアロで桶の転がる音が聞こえボクは振りかえった。
「おはよう。ウィンリィ」
にっこり微笑むボクに。
「…ば………」
「ば?」
「……」
小さな沈黙のなか。ウィンリィの喉を鳴らす音だけが小さく聞こえた。そしてかすれた声が耳を打つ。
「ばっちゃん……ばっちゃん。ばっちゃん! アルが。アルがっ」
ドアの向こうへ転げるように飛び出したウィンリィは、何かにつまずきでもしたのか、すっごい音が聞こえてきた。
大丈夫かな?
しばらく様子を伺い耳をすましていると、すぐにまた足音は復活し、ボクはほっと胸を撫で下ろした。
ボクは窓のフチにひょいっと腰かけ、朝の日差しをめいっぱい背中に受けた。
ひとつきりのベッド。ひとつきりの机。ボクの家とは違うその間取り。
もう。
認めなくちゃいけない。
兄さんに「おはよう」が言えなくなったこと。
兄さんに触れられなくなったとこと。
兄さんがいなくなったということ。

ボクはク口ーゼットの奥深くにしまいこんでいた上着を引っ張り出してみた。
やっぱりこれだ。
夢の中であの人はこれを着ていた。

ずっと長い夢を見ていたような気がする。
まどろんで。どこまでも優しい羊水のような空間をボクは漂っていた。
引っ張りだしてくれたのは兄さんの手。
差し出された手の平。金色の三つ編み。結ばれた結い紐の赤。
「約束だからなっ」ただ一言そう聞こえた。
ボクの知らないボクの兄さんは、ボクの言葉に本当に嬉しそうに笑い、確かにそう言ったのだ。
ボクは何を約束したのだろう。
その「約束」を果たせば、兄さんはボクにもあんな風に笑いかけてくれるんだろうか。

ウィンリィとばっちゃんの、2つの足音が近づいてくるのを待ちながら、ボクはあの人のその上着にそっと手を通した。

あんたはもうダメだと思ってた。
後日、ウィンリィはそう言って笶った。

          ****

十三歳
「ウィンリィ。もういいってば」
「だめっ。薬は入れたわよね。えーとあとは……」
「これ以上増えたらボクの腕が抜けちゃうよ。みんな待ってるし。何かあったらどっかで買うし」
あっちに行ったり、こっちに行ったりを繰り返すウィンリィを目だけで追いながら、ボクは盛大なため息を吐き出した。
ボクってそんなに頼りなく見えるんだろうか。
別に秘境の地に行くわけじゃない。
そんなことウィンリィだって分ってるはずなのに。
これ以上荷物を増やされてはたまらない。
トランクにカギをかけ、とっとと上着をはおって準備完了にしてしまう。
肩の合わせをちょっと引き上げ、ためしにトランクを持ち上げてみると。
――重力を体感させてくれる重みだった。
腕が抜けるなんていうのがけっして比喩でもなんでもなかったことを実感してしまった。さすがにこれ以上は無理。絶対無理っ。
「あっ、お金は? お金」
「持った」
トランクの上に腰掛ける。
「汽車のチケットは」
「持ちました」
と。今度はどうにも座り心地が悪い。
「八ン力チは?」
「入ってる」
嫌な予感がして立ち上がった。
角をひとつ軽く蹴ると力タンカタン力タンと小刻みに揺れた。
良く見るとトランクの表面がやや盛り上がりゆるいカーブを描いていた。
ため息はさらに重くなった。
「時計は?」
「持った」
「お弁当は?」
「入れた」
「エドの服?」
「持っ…………え??」
振り返ると、ウィンリィがいつのまにか足を止め、ボクの上着を指差しながら懐かしそうに目を細めた。
「着ていくの?」
「…………変?」
腕を広げて自分を見下ろす。
トランクに残された兄さんの私物は、時々妙にごついのがあったりでボクの趣味に合わないものも多い。でもこれはそんな悪くない方だと思うのだけど。
「変……じゃないけど。……エドの服がアルには大きいっていうのが、変、かな」
「そっか」
ボクは苦笑して肩の合せをもう一度ずり上げた。
確かに写真で見るボクは、兄さんよりうんと大きかったっけ。
「あーあ。そんなことしたってだめ。ほら貸してっ」
ウィンリィはボクの腕をぐいっと引っ張り袖先を整えだす。
「ねえ。アル。セントラルで見つけ出されたとき、あんた自分が何て言ったか憶えてる?」
「?」
「工ドが上着をかけてくれたんだから、工ドは必ず生きてるって」
ああ、そのことか。
錬金術の原則は等価交換だ。
もし、本当に師匠やロゼさんが言うように、ボクの身体と引き換えに兄さんが自分の身体を代価にしたなら。一瞬でも、元の身体に戻ったボクの姿を兄さんは見ることが出来なかったはずだ。
ならばこの上着がボクにかけられていた以上、逆説的にそれは成り立たない理屈になる、と思う。
あの時、本当にそこまで考えて言ったのか、よく憶えていないのだけど。
兄さんの上着は確かにまだ温かかった。
本当に今さっきまでそこにいたと思えるような温かさだったから。その場に死体がない以上、兄さんの死なんて信じられるはずがなかった。
「あたしはっ、錬金術のことなんて分らないから、アルが否定するならそれを信じる。だから、約束して、2人で、必ず…………」
言葉は途中から消え入りそうなほど小さくなり聞こえなかった。
それでも、ウィンリィは丁寧に袖のシワを伸ばすばかりで、だからボクも意味もなくウィンリィの頭のてっペんを眺めるしかなかった。

もし。もしボクが普通に成長していたなら。
ウィンリィの背をとっくに追い抜いて、こんな風にこの幼馴染みを見降ろせるくらい背も高くなっていたんだろか。
そしたら、こんな風に心配させるばかりでなく、ボクらの帰りを楽しみに待つくらいの余裕を与えてあげられたのだろうか。
絶対何が何でも2人で帰ってくるって、そう信じて貰えたんだろうか。

ボクは天井を見上げ大きく息を吸い込んだ。
「ねえ。ウィンリィ。兄さんに会ったら、ボク決めてる事があるんだ」
かすかに動く気配を感じ取り視線を戻すと、ウィンリィは何かひどく特異なことを言われたかのように、不思議そうに顔をあげていた。
OK。
ボクは内緒話をするようにちょっと声を潜めて言葉を続けた。
「兄さんにあったらね。まず怒る」
「え?」
「だって。色んな人の話を総合すると、結論から言って折角のボクの行為を無駄にしたって事でしょ? だったらボクには怒る権利があると思うんだ」
「ふうん?」
予想外の返事だったのかウィンリィは目をきょとんとさせていた。

だって。

悔しいんだ、ウィンリィ。
この4年間の兄さんについては、ボクよりみんなの方が詳しいんだ。
その4年間ずっとエドのそばにいたのはおまえだよと言われても、ボクには思い出がひとつもない。
悔しくて、悔しくてたまらないよ。
だから。

「ひっぱたいて、ぶん殴って、蹴っ飛ばして」
呆然と聞いているウィンリィを尻目に、指折り1つ1つ上げていく。
「あ、大丈夫。ウィンリィの分もちゃんと殴っておいてあげるからね」
ウィンリィを悲しませた分。
その言葉に、今まで泣きそうだったウィンリィの表情が少しほころんだように見えた。
「それって、あたし、ありがとうって言うベきところなわけ?」
「さあ?」
好きなようにとっていいよ?
おどけて大仰に肩をすくめるとウィンリィィはくすくすと笑った。
ボクはほっとため息をつく。
「ねえ、それから?」
「『それから?』?」
「それからどうしたいの? アルは。怒って、ひっぱたいて、ぶん殴って、蹴っ飛ばして、ふんじばって、エルボ食らわせて……」
なんか、さりげなく増えてるんだけど。ボクは否定も肯定も訂正もせずただ曖昧に笑った。
「そのあと。どうしたいの?」
そう言われてふと、あることが浮かんだ。

多分、ウィンリィが聞きたかったのは、兄さんを連れて帰ってきてから、2人で上の学校に行くとか、錬金術を生業としていくとか、そういうことだったんだと思う。けれど。
「きっと……」
「きっと?」
「……ううん? なんでもないっ」

きっと、抱きしめたいと思うかもしれない。
ボクの頭を過ぎったのはそんな言葉だった。
手を繋ぐのでもなんでもいい。
兄さんに触れてそこにちゃんといることを確かめたい。
そんな風に思ったのだ。

「長話しちゃった。もう行かなきゃ。駅まで見送ってくれるんだよね?」

          ****

十四歳
遮るものが何も無い川ベりは、タ陽を浴びて全てオレンジ色に染めていた。
川も、地面も、兄さんも、何もかもがオレンジ色だ。
「どうしてあそこに居るって分かったの?」
前を歩く背中をみつめながらボクはそう尋ねた。
「進歩ないからな」
「え?」
「お前っ。いつもケンカしたあとは川辺でずっといじけてただろ」
「そっか」
「だからさっ、アル」
振り返った兄さんの、大きく揺れた金色の髪は、タ暮れのオレンジを乱反射して、その毛先の1本1本までも輝かせていた。
そしてボクの目の前に左手がゆっくり差しだされた。
「もし俺が迷子になったら。お前が探せよな」
「えー」
ひょいっと右手を掴まれた。
「なんだよ。お前は兄ちゃんが行方不明になっても捜さねえ気か?」
繋いだ右手をぶんぶんふり回される。
あのね。子供じゃないんだから。
「兄さん。迷子になった時の第一原則って知ってる?」
「?」
思い切りわざとらしく、ため息を吐き出す真似をして見せた。
「絶対その場から動かないっ。兄さんじっとしないから」
それじゃ捜せるものも捜し出せないよ。
「ばーか。そこは愛だろ、愛。テレパシーでも何でも飛ばしてキリキリ捜せ」
「えーっ」
そんな無茶な。
「あーもー。うるせえなぁ。分かったよ。アル君は、探さねぇってんだな。へえへえ分かりました」
「ちょっと、何決め付けてるのさっ。探すよ。探すに決まってるだろ? 兄さんがすねてたって、いじけてたって絶対、地の果てまで探して連れ戻すんだから。それで……」
ボクの言葉に兄さんは本当に嬉しそうに笑いかけ、ボクは続ける言葉さえ失った。

「よし言ったな。アル。ぜってぇ、約束だからなっ」

ボクはきっとその笑顔と共に約束を忘れない。

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2005/09/11

新宿シネマミラノ

土曜日に新宿シネマミラノで2回見て、今日も2回見たから……29回?
やっとお腹一杯になってきた感じです(今までそんなに飢えてたのか?)。
上手く行けば、あと火曜日と金曜日の一番最後、見にいけないかなぁ……。
(またレッスンサボる気だよ、こいつ)
だってもう大画面で見れないんだよ?

今日は、ガソガソの早売りを買い込んで映画の合間に読んでたりしたんですけど。
マンガの兄さんだったら、例え3年たとうが絶対あきらめたりしなさそうですね。
理由、あきらめたらアルの鉄拳と怒号が飛んでくるから(笑)。
マンガ兄はどんどん男前になって、でもアル激ラブで、こちらはこちらでまたいい味だしてます。

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劇場版 鋼の錬金術師 ネタバレ感想10

途中まで打ち出ししてたやつを再度打ち直し~。
くそっ。

さすがにこの辺りにくると萌えが減ってきますね。

萌え抜き
●「アルに会ったんだ。弟のアルに。もしかしたら、オレ、帰れるかもしれない」
この時の嬉しそうな顔ったら!!
思い出し笑い? 含み笑い?
一生懸命平静を装うとしているんだけど、
隠し切れなくて笑みがこぼれてるんだものっ。
今までがどれだけ絶望していたのか想像してしまう。
対して、ハイデリヒは歪めた顔を隠そうともしない。
どうなんだろ?
ハイデリヒがエドの話を信じていないのなら、
「また夢みたいな話をしてどうして現実を見ようとしないんだ」とも取れるけれど。
信じているのなら、
ロケットでエドを帰してあげようと思っていたアルフォンスの思惑を、横からアルがかっさらったように思ったかもしれない。
私は後者だと思っているんだけど。

●「アルフォンス。ウーファって知ってるか?」「ああ」
ごめん。ここのハイデくんの顔、変じゃないですか? なんか眼の書き方が変なのかな?
顔の作りがエッカルトに見えるんですけど。

●「もしかして、それってエドと関係があることですか?」「今は何も言えない」
この時の眉間に眉を寄せるウィンリィの背後に、「この無能がっ」の文字が見えるのは私だけでしょうか(笑)。

●「どうしても行きたいの。アルにだけエドを探させたくない」
アルだけに負担をかけさせたくない、って意味だってことは分かってるんだけど。
こう、つい、アルにだけいい思いをさせてたまるもんですかと言っているように聞こえてしまうのは。単なる幻聴でしょう(笑)。
ところで。このシーンはお昼、上のシーンは朝です。
ちゃんと時間経過が分かるように窓からの光が違ったり、テーブルの上が違ったりと、ちょっとした気遣いが嬉しかったりします。

●「あんたには分からんさ。一生を夢の中で暮らす人間のことなど」
帰れるかもと二人に言っていたのに、そういうんだ、エド。
そのあたりの心理が微妙。
帰れるかもしれないと思っては裏切られ続けてきた2年間がそれだけ重いってことか。

●「ふん」(ライラ似の女優)
ちょっと監督に可愛がられているからっていい気になってんじゃないわよ。
とでも内心思っていそうなライラ似の女優さん。いい味だしてます。
OPにはなかったDVD13巻のジャケット絵。ここでフォローされてますね。

●「これがなにか分かるかね?」
なぜウラニウム爆弾を科学者たちが爆弾だと認識出来たのか、謎だったりしますが。
フリッツ・ラングの情報網って相当なものだと思う。
ベルリンにいながらにしてエドの動向を抑えていたことも凄いけど、エドがシャンバラから来た(とハウスホーファー達が思っている)ところまでこんな数日で辿り着いているんだから。
そこまでエドの事を知った上でフリッツ・ラングはエドにどん仕事の協力を求めようとしたのか?
顔綺麗だから役者に、なんてのもありかもしれないけれど(笑)。
「ニーベルンゲン」を撮っている最中のようだから、ドラゴンのいる世界にいたエドから、シャンバラがどんな世界なのか聞いて、それを映画に反映させたかったのかな。
ちなみに、アメリカに渡った後のフリッツ・ラングの映画に「エディ」という名前の主人公が出てくる作品があるようです。
「暗黒街の弾痕」
http://www.fantasy.fromc.com/movie/lang.shtml

●角砂糖を紅茶に落とすラング
勿論これはウラニウム爆弾を使えばどうなるかという事への暗喩なんですよね。ベタだけど説明的にならず分かりやすい。
ハガレンのこういうとこが好きっ。

●鎧アルの兜
あれは、アルに会った日に持ち帰ったものじゃないですよね。
ベルリンからの帰りに、あの川原に寄って拾ってきたのでしょう。
フリッツ・ラングにエドは言い切ってしまったもの。
自分の世界を武装蜂起に使わせない。
ほんの数日前に持っていた帰れるかもしれないという希望を、自ら断ち切ってしまうしかなくて。
多分エド、川原で泣いてたんだろうなと思っています。
下宿先に戻ったエドの声はどこか擦れてたし、まぶたもはれぼったく見えます。
泣いて泣いて、せめてアルに本当に会えた事だけを思い出に、こちらの世界で生きようと思って持ち帰ったんだろうな。
お酒を持ってきたのはノーアだけど、飲みたいと言ったのはエドなんだろうね。

●吐血の後ノーアを見上げるハイデリヒ顔をそらすノーア
そこまで悪かったのかと驚いているエドに比べ、ノーアの反応は鈍い。
ノーアのことだから、なにかの拍子に触れて彼の病状を知ったのかな?
それを隠そうとハイデリヒから目をそらせたように見える。そんなショット。
ここで、ノーアとの邂逅シーンを思い出すの。
ハイデくんはあの時、何をノーアに見て貰いたかったのか。
知りたくないことまで当ててしまうノーアに。
自分がもう死んでしまうということ。そんな事を精神的に不安定なエドには言えないでいること。このままでは何も残せず死んでしまうかもしれない寂しさとか怖さとかいらだちとか。エドを一人にしてしまう不安とか、本当は怖くて叫びたかったい気持ちとか、そんな気持ちを誰かと共有したかったのかもしれない。

●「あなたには何も言う資格がない」
果たしてハイデくんは、この時のエドとノーアの会話を聞いていたのでしょうか?
階段を登る音もドアを開ける事も聞こえなく、いきなり咳と歩く音がドアの向こうから聞こえてくるのよ、ここ。
聞いているうちに咳が出てしまって、仕方なく今帰った振りをしたとか……考えすぎ?
でも、ハイデくん帰る早々、エドに対してつっけんどんなんだもん。
何でそんなにエドに対して怒ってるの? エドが仕事をやめろと言う前から君怒ってたよね?
いや、確かにエドの台詞でさらにふつふつと怒りを高めていたけどさ。
何故、エドが帰る事をやめたのか理由までは分からなくても、本当は帰りたいのにその希望を自ら捨てた事だけは聞き取れて、だから怒っていたと取ると辻褄が合うと思わない?
アルに会えた、帰れるかもしれない。そう言われて自分は悔しい思いをして。
それでも、自分はロケットでエドを元の世界に戻す夢を捨てたくなくてもがいてるのに。
今度は、もう元の世界に帰らないなんて言葉を聞いた日には……そりゃ怒るよね。
しかも、帰らないと言いながら、あちらの世界が戦争に巻き込まれるのを心配してるし。
「(この世界を拒絶する)あなたには何も言う資格がない」以外にも、
「(そんなにも大切な世界へ帰ることを望んでいながら簡単に夢を諦めた)あなたには何も言う資格がない」
こんな風にもとれるよね。

●「どうせ門は開かないんでしょ?」
もう命が短いのは分かってるんだから、ハイデリヒには好きなことをやらせてあげましょうよ。
そう取れる。でも。ノーアはこの時すでに門を開けるつもりでいるんだよ?
自分が門を開けてシャンバラに行く為には、ハイデリヒには是が非でもロケットを作って貰わなければいけない。
そのためにエドを止めて、ハイデくんを行かせた。あんなボロボロになってるのに。
このあたりにノーアの強かさが出てると思う。自分が生きていくためならなんでも出来る。
そうしなければ生きていけないジプシーの強さがある。
エドはアルのいる世界の為に夢を諦め、ハイデリヒはエドの夢を叶えるという自分の夢の為に動き、ノーアはそのハイデリヒの夢を利用して自分の夢を叶える為に動き出す。
三人の思惑が実は一番濃厚に出ているのって、一見なんともないこのシーンなんじゃないかと思う。

●ビアホール
なんでノーアはわざわざエドの前でヘスの元に行かなければ行けなかったんだ?
エドから錬金術の情報を盗んだのならそのまま夜のうちにヘスの下へ行けば良かったのに。
もし、エドが今日は別の店で食べようとか行ったらそれでこの計画はおじゃんになるのに。
とりあえずお店に関しては、夜食べれるお店はあそこしかない、もしくはエドは必ずあそこで食べている。
くらいで説明はつくけれど。
ノーアの行動はどうだろ。ノーアはエドに止めて欲しかったのかな。
こっそりいなくなれば、「やっぱりジプシーなんて信用ならん」で終わりだっただろうし。
ヘスに無理強いされて門を開くわけじゃない。自分が門の向こうへ行きたいと思っているのは確か。
けれど門を開けば事が大きくなる事は分かっていたし、エドはその為にむこうの世界へ行く夢を断った事を知っているから。
エドに告げるべきか1日かけて悩んで、結局自分の意志を優先したってことかな。

●「なぜだ…何が足りない」
素朴な疑問。代価が足りない場合ってリバウンドが起きるものじゃないんですか? 母親を錬成した時は問答無用で持っていかれたのに。
はっ、いかん、そんなツッコミをしたらいかんのだよ。
えーと、多分、アルはエドより錬金術の力が上になっているという設定ですから、きっと足りなかった場合もリバウンドは起こらずその手前でエラーダイアログが表示されるようシステムが組んであって……って錬金術はソフトウェアかなんかかよ、とひとり突っ込みひとりボケしたくなります(笑)。
つうか、賢者の石があっても代価が足りない(誤反応する)錬成って……。
ごめん。これ、誰か解釈出来ます?

●「し、しかし、まだ調査が足りない」
ハウスホーファーの良心的な態度が泣けます。某「○国○衛○1549」は調査もせず本当に行けるかどうかも妖しい状態で優秀な人材をいきなり過去の世界に放り込んだもんなぁ。

●「この先は……夢じゃない」
言葉の響きとしてのカッコよさはこっちの方が上だけど、ベタでもプロトタイプの「オレの世界は夢じゃない」の方が分かりやすかったんじゃないかなぁ。「この先」って「ここから先に起きる出来事全て」のように取れるので。

(以下まだまだ続ける予定)

萌え
●魂の一部が門の向こう側から戻ってきた時のアル
ぱっと目が覚めてすっごく嬉しそうに微笑んでぶわっと涙がこみ上げて……。
もうもう大好きなのっ。つい見てるこっちまで一緒に笑顔になっちゃう。

●電話を取るエド
右手をポケットに突っ込んだまま左手でハイデリヒを止めて、電話を取るエドのこの仕草っ。
このカッコ良さは何事?
指が2本無い状態だから、ハイデリヒに心配をかけたり、ノーアを怖がらせたりしないようにと右手を隠しているのだと思うのだけど。
めちゃカッコいいんですがっ。

(以下まだまだ続ける予定)

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2005/09/10

見たかったの。いいえ、行きたかった

というわけで、レッスンサボって行っちゃったよ。ピカデリーの最終に。
朝まではレッスン行くつもりで、お稽古道具一式持って行ったにも関わらず(笑)。
はい、25回目です。 ちょっと間に合わなくって途中からだったんですが。
立ち見が、左右にずらっと後ろにも少し。満員御礼。
ピカ4からピカ3に繰り上げて正解でしたね、映画館さん。

そして、家に帰ったらもう残り少ないハガレン放送局を聴こうと思ったのに2時までは粘った記憶があるんだけど、敢え無く沈没。目が覚めたら4時。
考えてみれば前日寝たの5時じゃん…。どうりで眠いはずだよ(気づくの遅すぎ)。
しかもね。ハガレン映画の感想の10を打っていてその時間になったんだよっ。そんでもって確かに登録したはずなのに眠い頭でやった行動なんてあてにならず、朝起きて確認したらアップされてないし……。
なんか踏んだり蹴ったり?

まあ、いいや、そんな状況下で映画に行ったにも関わらず眠くならなかった自分を誉めておきます。

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2005/09/06

劇場版 鋼の錬金術師 ネタバレ感想9

萌え抜き

●ハイデリヒとノーアの朝食
あるサイトさんで話題になって気づいたんですが。
実はこのシーン、ナイフとフォークが逆になってます。
演出上のミスじゃないのか? とか、二人とも実は左利きでは? とか。
色々盛り上がったんですが。
私、全然気づいて無かったんですよ。こんだけ見ておいてからに(笑)。
ノーアの手つきも、ハイデくんの手つきも、ぎこちなくて変だよなぁ、とは思ってはいたんだけど。
特にハイデくん。
ノーアが来た時はちゃんと右手にナイフ、左手にフォークで綺麗に食べているところを見ているからね。
このシーンでは、フォークを持った右手で無理矢理切ってから刺しているように見えます。
ノーアはナイフもフォークも立て過ぎ、あれじゃ切れるものも切れない。
案の定というべきか一度も口元に運んでないし。
で、私の出したのはこんな結論。
旅暮らしのノーアはどれだけテーブルマナーが身についてたものなのか?
フィンガーボールの水を飲んでしまった人がいたら、注意せず、その人に合わせて飲むのが本当のマナーなんて言いますよね。
もしかしたらうっかり逆に持ってしまったノーアに合わせて、ハイデくんも無理して左右逆に使ったのかなぁとか。
そんな風に想像すると、微笑ましくない?(笑)

●エドとアルの再会シーン
ともかく、ここは理恵ちゃんの演技賞ものでしょう。
彼女以上に「兄さん」って言葉に色んな感情を乗せられる人っていないと思う。
どれとして同じ言い方をしていない。
一度爆発したような勢いからだんだん感極まっていく感じで。
もう本当にここは気持ちが引っぱられます。

●「あれ? でも兄さん こんなに背が高かったっけ?」
11歳のエドしか知らないとはいえ、今は目線が違うのだから背が高いと思うのはおかしいのでは?
という意見をどこかのサイトで読んだけれど。
その前にリオールで鎧に魂を移しているのだから、自分の目線が今どこにあり、
それがおおよそ地上から何センチの位置かは分かっているはずですよね。
あの時点で鎧の眼を通して自分を見ているのだから。
その自分の高さと比較して、高い低いというのは言えると思っています。

●「変わらないなぁ、悪戯好きで」
アル、そんなこと言える状況か? 敵は銃を持ってるんだぞ?
なんてのが、兄さんの心情でしょうか。
この呑気さ。アルだよなぁ~。
「跳弾するから危ないって言おうとしたのに」とか言ってたアルを思い出すの。
敵に情けかけまくり、というか、敵を敵視する必要すら感じていないというか。
肝が太いというか。
エドと一緒に戦っている時のアル、なの。
記憶がなくても何も変わってないのが、すごくアルらしい。
アル鎧の背中の首のあたりに、錬成陣があるの見えてますか?

(以下まだまだ続ける予定)

萌え

●「どっち?!」「走れ!」「どっち?!」
しがみついてるエドに萌え~。
プロトタイプにあった、
「いいぞ、アル」
その嬉しそうな表情。
そんな様子を見てしまうハイデリヒ。
というのが萌え。
この微妙な三角関係シーンが是非見たかったぁ~。
アルとエドの間に入り込める隙などないとハイデくんが自覚するシーンんでしょ?(え? 違うの?・爆)

●「兄さん」(アルの寝言)
こ、このアルの台詞、大好きなのっ。
「待っててね 絶対連れ帰るから」
そんな続きが聞こえてきそうなくらい、悲壮感が全然ない。
無理かもしれないとか、全然そんなものが聞こえてこない。
胸いっぱいの希望とか、愛しさとか、尊敬とか、崇拝とか、いたわりとか、優しさとか。
大好きっていう気持ちとか、ぶわーっとそんなものだけで溢れてる。
本っ当にアルってエドが大好きなんだよね。

●アル鎧の腕を擦るエド
なにがツボだったのか自分でも分からないけど、萌えです。
しっかり美人さんになったエドと鎧アルは、まるで美女と野獣のようで、そのアンバランスさが、魅力なんでしょうか。
テレビ版でエドがアルにぴったりひっついていても
「うきゃー、可愛いっ、萌え~」だったのに。
18歳のエドだとどこか耽美系というか、背徳な匂いがぷんぷんしてどうにもエロいです。

●「おぼえて……ない?」
訝しがるのではなく、淋しそうに眉が寄るのよね。
どんな作用なんだ?とか、それも等価交換なのか? とか。
科学者らしく思考する前に、もう感情が動いてるのよね♪
ここ以降、エドはアルの言葉に一喜一憂。
刻々と表情を変化させていくのが萌え。
ホント可哀相なくらい、アルしか見えてません。ええ。
アル、せめてエドの手を握ってあげなよ、とちょっと思ってしまったり。

(以下まだまだ続ける予定)

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今のところ

24回見てますね。
22回目は、先週水曜日にレディスデイに、ワーナーマイカル海老名に会社帰りに2列目の端席に滑り込み。
23回目は、土曜日に新宿のピカデリー4の初回やっぱり立ち見になってしまったので、16時の回の整理券をこの時点でゲット。
24回目は2列目のセンター(だって勾配がほとんどないんだよ? 後ろ座ったら見えないよ)で見てました。満足満足。
そうそう、EDになった途端一際デカイ声で喚きだしたお嬢さんたち。
興奮したのは分かったから、おしゃべりしたかったらとっとと劇場から出てってね。御願いっ(はーとっ)。
すっげー、迷惑だから(怒)。
さて。この土曜日のスケジュール、実に我ながら素敵でした。
朝一で鋼見て、フラメンコのレッスンに出て、また鋼見て、またスタジオに戻ってフラメンコの自習練。
すみません。根が体育会系なんです(笑)。

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