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2007/01/30

ガンガン2007年02月号 鋼の錬金術師第67話「この国のかたち」 ネタバレ感想2

やっと感想の続きです。でも終わらなかったorz。可及的速やかに続きは、ええ。勿論。
だって、書きたいことまだまだたくさんあるし、色んなブロガー様に気になる考察が色々あるんだもの。そのあたりも書きたいのに~。
はい、以下ネタバレ感想です。
 
■貴方がたが心配しているのは これでしょう
キンブリー以下、将官たち、ホムンクルスたちのヒエラルキーってどうなってるんだろ?
 
皮肉交じりなこの台詞からして、キンブリーはレイブン中将に絶対服従というわけではないらしい。
確かに命令には従うし敬語も使う。反抗する気はない。けど。
逆らわないのは上官だから、にはとてもじゃないけど見えない。
利害の一致というか。互いが互いを利用している?
一触即発一歩手前? どちらも、もし自分の邪魔をするならためらい無く殺しそう。
 
キンブリーは過去に上官たちを殺している。
あれはレイブンの仲間じゃなかったのか?
レイブンはあの上官たちのように自分がキンブリーに殺されるかもしれない、と恐れているように見えない。
弱みを握っているのか、キンブリーの今の状況下から有り得ないと分かっているのか。
彼らが殺された理由を知っているのか。
 
これに対し、ホムンクルスのエンヴィーとの会話は共犯者のような響きがあった。
エンヴィーはキンブリーが逆らえば殺しそうだけど、エンヴィーに謀れたとしてもキンブリーがエンヴィーを殺しそうには見えない。
まあ、そうそう簡単にホムンクルスを殺せるわけないんだけど。
自ら自分を売り込み、ホムンクルスに渡りをつけた。なんて言われても信じられる。
ホムンクルスの目的を知りそこに自分の好物を見つけ飛びついた。
自分の好物を心得、それを与えてくれているうちは彼らの犬でいる。
そんな感じ。
 
キンブリーの場合。
エンヴィーにレイブンたちを殺せと言われれば殺しそうだけど。
レイブンたちにエンヴィーを殺せと言われたなら、密告してエンヴィーと共にレイブンたちを喜んで殺しそう。
 
レイブンの場合。
エンヴィーに、キンブリーを殺せと言われたら殺しそうだけど。
キンブリーに、エンヴィーを殺せと言われたなら、逆に殺されたらたまらないとキンブリーを子飼いにし、エンヴィーにばれてキンブリー共々殺されてしまいそう。
 
 
だからなのか。ヒエラルキーは本来、
お父様→ラース(ホムンクルス)→レイブン他→殺された上官→キンブリー
なんだろうけれど。
お父様→エンヴィー(ホムンクルス)→キンブリー→レイブン他
にも見える。うーん。
 
 
■隠し立てするな あのデカい怪物が出て来てそれについて質問した時、貴様は「察してくれ」と言ったな。
この時のオリヴィエ姐さん、座ってます。子供と話をする時の基本。
目の高さを合わせること。決して相手を見下ろさない。
それはつまり、ちゃんと相手の身に立って考え話を聞く気があるという合図。
こういうところが牛様の上手さだと思う。
p260に最後のコマ。
エドは立っているのに、オリヴィエだけが座っていて偉そうだし、台詞だって荒いのに。
まるで母親が子供を諭しているようなそんな優しい構図に見える。
 
 
■力を貸してほしい
初読の時、この台詞にちょっと泣きそうになって、我ながら何でだろうと思った。
悲しいシーンじゃないのにね。
多分。
この子たちはずっと迷子だったのだと思う。
誰か大人に道を聞けば答えてくれると分かっていても。
迷子になったのは自分達のせいだから、自分たちだけで解決しなければいけないとずっと思っていて。
日が暮れて真っ暗になっても、雨が降っても。
大人たちにいらない心配をかけないよう、迷子になっていることも悟らせないよう平気な顔をして歩いてみせていた。
そこへ、ぽんと背中を叩かれ「おまえたち迷子じゃないのか? どこに行く気だ?」そう聞かれた。
まるでそんな感じ。
 
「力を貸してほしい」は「助けて」と同義語だと思う。
 
きっと、ずっと言いたくて言えなかった言葉だったのだと思う。
プライドとかじゃなく。
誰も巻き込みたくない、自分たちだけでなんとかしなければいけない。
頼みの綱のロイは、自分と同じく人質を取られた身の上で、あてにしてはいけない。
ただでさえ、自分たちのうかつさでロイの親友を巻き込んでしまった前科がある。
これ以上他人を巻き込めない。
それを、人目を避け、無理矢理言わせるという立場を与え、安心して話せる状況を作ってやる。
そうでなければエドは決して話さなかっただろう。
粗いようでそのきめ細かい心配りはやっぱり女性ならではか? 
あ、もともとエドは鷹の目さんといい、年上の女性の前では素直か(笑)。
  

■ピチョン
すみません。未だ引っ張ってます。
日陰は天然冷凍庫の土地でも、ばっちり日の差さない地面の下でも雫は凍らず下に落ちるものなんでしょうか?
ぐぁ~、北育ちじゃないから分からん。
やっぱり地熱が気になる。
いや。だってね。この錬成陣をてっとり早く壊す方法って、ようは、このラインをぶった切ればいいわけですよね。
なら火山の爆発で溶岩が地中に流れ出せばOKじゃないすか(暴言だなぁ・笑)。
折りしも、メイ・チャンの台詞の中に「龍脈」なんて言葉があるし。
風水で「龍脈」つったら、まさに山の尾根伝いを流れる気ですもん。
マルコーさんの台詞にも「火山」とかの「地中のエネルギー」なんて言葉が出てくるし。
すごく思わせぶりに読めちゃうんだけどなぁ。
 
 
■案の定だ
単なる間違いでしょうか?
NORTH ARIAの天辺を北にしてコンパスを置いているのだけど。
p269を見ると分かるのだけど地図上の真北は紙面に対し、45度ほどずれている。
本来なら地図は右肩あがりに置かないとコンパスと方位があわない。
なんでエドは地図をきちんと方位に合わせず、この穴が円を描いていると分かったんだろ。
この地図はパーフェクトガイト2に収録されていて、その時点から方位の北の位置は記されています。
そこに気付かず、地図の上辺を真北と見てしまうと五角形が上を向いて見える=賢者の石を錬成する錬成陣、とミスリードさせる為のフェイクだと思うのだけど。
 
 
■錬成陣
円と五角形を使った錬成陣は今のところ4種類ある。
 
第五研究所で、イシュヴァール人から賢者の石を作った錬成陣
クセルクセス遺跡にあった、人体錬成の錬成陣
エドがクセルクセル遺跡の陣を模して書き、人体錬成を行い真理の扉をあけるために使った錬成陣
アメストリス全体を覆う錬成陣
 
すでに聖部さんが指摘されている通り、第五研究所の錬成陣の五角形は全て上を向いているけれど、
クセルクセス・エドが書いたもの・アメストリスのもの、これらは五角形が下を向いている。
 
正確には、アメストリスのものは、真北を頂点とするなら、外の五角形が下向き、中の五角形が上向き。
 
ここでもう一度考え直したいのが、っていうか混乱してきたので、賢者の石と人体錬成の関係。
・賢者の石は生きた人間から魂のみを抽出したエネルギー体
・賢者の石の錬成に精神と肉体は不要
・人体錬成により真理の扉を開く事が可能
・真理の扉を開くには代価が必要
・人体錬成(真理の扉を開く)の代価には賢者の石が有用
・錬成陣の内部に構築式に関係のない異物は直接影響を受けない
 
ということで。妄想全開でいきます。
一つの陣で二つの錬成を続けて行う事が可能ならどうなるだろう?
 
まず内側の上向きの五角形をメインにした錬成陣を使う
おそらく5隅に配された地中に眠る人の魂(化物エンヴィーのあれかな?)を代価に賢者の石を練成する。
 
次に下向きの五角形をメインにした錬成陣を使う
人柱候補が自分で自分を人体錬成し、今錬成したばかりの賢者の石を代価に、扉を開く。
 
こう考えると、エンヴィーがマルコーに「惜しい」と言った理由としても通るし、人柱の意味も通るのだけど。
 
人柱。
ラストは、アルが手パン錬成するのを見て、アルが真理の扉を開けた事した。
逆に言えば、真理の扉を開ければ、手パン錬成が出来るようになることをラストは知っていたわけだ。
 
つまり、欲しいのは手パン錬成そのものじゃないのか。
賢者の石を錬成する時はあらかじめどっちの五角形を使うのか構築式を配置しておけばいい。
けれど二度目の錬成を行う際、それ用に構築式を書きな直さなければいけなくなる。
書き直すったって、イーストからセントラルまでだって汽車で半日近くかかる土地だ。
何日かかるか分かったものじゃない。
けれど、手パン錬成ならベースとなる錬成陣さえあれば、それも可能なんじゃないか?
手パン錬成で錬成陣を書くことが。
 
人柱候補とは、つまり人体錬成を行い真理の扉をあけた、手パン錬成が出来る人物の事。
人体錬成を行おうなんて人間は、エドやアル、イズミのように大切な人をなくすことに耐えられない情の強い人。
だから、ロイやマルコーには可能性があり、キンブリーは除外されている。というのも筋が通る。
 
いかがでしょう?
 
ぐお~。やっぱり最後まで終わらない。続きはまた今度。
頼む、来月号発売前には書かせてくれ~。
 
 
追加 13:04
クセルクセスの遺跡にあった雌雄同体に相当するものは何を使うつもりなのか思いつかなかったんだけど。
絶好の存在がいたじゃん。
ホムンクルス。
「雌雄同体」っていうからカタツムリとかシジミとかを思い浮かべてしまうのだけど。
ようは、全き存在であればいいわけよね。
つまり自己完結の存在。
母体とは別の場所から生まれ、死に、生き返る。それの繰り返し。
「生」きかえるから「死」に、「死」ぬからまた「生」きかえる。
生殖機能がないから子孫を残せず、食物連鎖からも完全にはずれた存在。
自分の身体だけで連鎖が完結している。まさにウロボロスの循環そのもの。
そのラストが、自分たちのことを「真理に近い存在」と言っていた。
鋼世界で、真理は=神だ。
ありえない話ではないのじゃない?

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コメント

長いコメント+妄想で失礼します。

キンブリーは(階級的に上官である)レイブンに対して偉そうですが、錬金術師としての「力・知識」に自信があるゆえではないのでしょうか?
(あと皮肉っぽいのはもともとの性格もありそうですし/笑)

階級ではなく力や知識において、キンブリーは自分が上位にあると思っている。
レイブンはレイブンで、「不死の軍団」のメンバーだから、キンブリーが裏切ったとしても自分は死なないと思っている。

キンブリーに殺された上官たちは、賢者の石に関わっていたけれど、ブラッドレイがホムンクルスとか、「不死の軍団」を知らないで、研究開発だけ命令されていた下っ端だった・・・なんてのはどうですか?

なんとなくキンブリーはお父様の目論見を感づいてるんじゃないかなという気がするのです。
そんで、彼の美意識的には「興味ない」内容で、かつ自分の命をかけなくてはならないから、「真理の扉」は開けようと思わないとか。

ホムンクルスが雌雄同体と同等なのではないかというご指摘、うなづいてしまいました!
「真理に近いホムンクルス」というのから、じゃあ真理ってと妄想してみると、
ホムンクルスの特徴は「めったなことじゃ死なない=ほぼ不死」ってことは・・・
真理=不死?うーん・・・。
「お父様の言う真理」っていう別定義が必要とかいう落ちだったして・・・。
この辺は微妙にミスリードされてる気がして・・・。

錬成陣の向き、整理されるとすごい難しいことになってる!

投稿: 真朱薫 | 2007/01/30 19:43

>りほさま
こんばんは!
補足の補足記事とか上げ始めるときりがなくなるのですが、こちらに来てまたうーんとなってしまいました(苦笑)。
特に錬成陣のところ…もし原作でネタ明かしされても、もしや既に着いていけないのではないかと非常な危機感を感じております。
手パン錬成も、あの13巻のオビ(14巻でしたか…(汗)今手元にないので)「まるで神への祈りじゃないか」@リンが、ものすごく思わせぶりでしたので、りほさんの指摘で更に悶絶中です。
グラマングラマン言ってたら、記事中でレイブンをグラマンと書いてしまったうつけ者ですが、中央にはリン@グリードさんもいるんですよね…!
来月号は10日発売、2月は28日しかないから次次号は更にきっちり28日後に発売されると予測されます。
楽しみだけど、記事がおっつかない気がして、、怖いです(汗)。
のわこ

投稿: のわこ | 2007/02/01 00:04

私は生粋道産子の父母を持っているだけで育ちは関東なのですが。似非道産子です。
「ピチョン」につきましては外気より土の下の方が暖かいのですよ、、、orz
だから、うちの祖父は土を掘って野菜が凍らないようにそこに保存しておりました、、、(遠い目)
凍っていいものは廊下に出しておくのです。
子どものとき、初めて祖父の家で行ったときのカルチャーショックでありました。

と、いうことを思い出したのでコメントさせていただきました。
ところでりほさん、31日「日本の表現力」見に行かれたのでしょうか?私はダメでした、、、うふふ(茸)

投稿: 由宇 | 2007/02/01 04:41

>真朱さま

>キンブリーに殺された上官たちは、賢者の石に関わっていたけれど、ブラッドレイがホムンクルスとか、「不死>の軍団」を知らないで、研究開発だけ命令されていた下っ端だった・・・なんてのはどうですか?

そう言われればそうですね。そのあたりの人間関係の切り分けって確かに微妙かも。
賢者の石とか人体を使ったキメラとか、研究セクションがいくつかあって、結果が出ればその時点で研究は終了。
結果だけ持ち出して、関係者や証拠品は抹消、という仕組みなのかも?
一応、彼らも(あの偉そうな感じからして)将軍職だったんじゃないかとと思うんですけどね。哀れ…。


>なんとなくキンブリーはお父様の目論見を感づいてるんじゃないかなという気がするのです。

ほほうなるほど、そう考えてみると……。
えっと。完全に妄想入りますけど。
キンブリーって錬成の際の身体に響き渡る地響きが好き、というような描かれ方していますよね。
アメストリスの地に人の魂が本当に渦巻いているとして。
錬金術がまさにそのエネルギーを使っているとして。
メイ・チャンたちシンの国の人とはまた違う何かを、その地から感じているのかもしれませんね。
賢者の石が人の魂によって作られた高度なエネルギー体であるのなら。
賢者の石を使った時のキンブリーのあの興奮ぶりはまさにそれをあらわしているわけで。
お父様がもし、本当にアメストリス全土を使って錬成を行うとしたら、キンブリーにとってそれって至福なのでは?
その直後に死ぬかもしれないとしても、キンブリーがお父様側に付く理由としては納得のいくものがあるかも。


>そんで、彼の美意識的には「興味ない」内容で、かつ自分の命をかけなくてはならないから、「真理の扉」は開
>けようと思わないとか。

あ、それは納得です。
スカーとの戦闘を見ても、キンブリーは自分の「死」に対する足掻きはないですよね。
だから「不死」に興味はない。
それが刹那的な理由ではなく道理として受け入れているから、死にいく相手とどんなに親密な関係(うわ、想像出来ないっ)であっても多分その死も受け入れる。
だから「真理の扉」を開く事はありえない。


>真理=不死?うーん・・・。
>「お父様の言う真理」っていう別定義が必要とかいう落ちだったして・・・。
>この辺は微妙にミスリードされてる気がして・・・。

あははは。
エドはアルが元に戻れる可能性を見出した時「死んだ人は生きかえらないそれは真理だ」と言ってるんですよね(笑)。
さらに、アルのことを(身体を全て持っていかれたから、自分よりも)「真理に近い存在」と言っていたし。
もうミスリードされまくりです。まさに何が真理なのやら。とほほ。
 
 
>のわこさま

お疲れ様ですっ(笑)

>特に錬成陣のところ…もし原作でネタ明かしされても、もしや既に着いていけないのではないかと非常な危機感>を感じております。

牛さまは15・6歳を対象として描かれていますからきっと、なんとか、理解出来るといいな……と私も思っています(笑)。
自分を人体錬成するくだりなんて、もう何度読み直したことか! 未だに扉の前のアルの理屈も上手く理解できてませんものっ。お互い頑張りましょっ。
クセルクセス遺跡の神を表す文字は正確にはヘブライ語で「わたしはある」(アルにあらず・笑)という意味になるのだとか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%8F%E3%83%B4%E3%82%A7
それが逆さになっているのだから「存在しないもの」とも受け取れます。
錬金術の天才のエドが神の失墜と言っているのだから、そっちを素直に受け止めればいいんですけどね。
ちょっと意味ありげなのでついつつきたくなるんですが。
こうやって掘り下げて考えていくと、もう何がなにやら~です(笑)。
もうすぐ来月号が出てしまいますね。ああ、その前に、なんとか「その3」をまとめなければっ。


>由宇さま

廊下って廊下って、縁側のじゃなくて部屋と部屋の間にあるあの廊下ですか?
貴重な情報、ありがとうございました。
やっぱり、地熱説は捨てるべきか……うむむむ。

31日は行きましたよ。由宇さんは体調崩されていたんですよね。残念。
上映開始直前にはもう席がほぼ埋まってました。
どなたか知った顔はいないかとぐるっと見渡してみたんですが、どなたもいないしぃ (T_T)
エヴァが終わったら人が減りましたがorz、結構盛況でした。
隣りに座ったお兄さんが、鋼初体験だったらしく、冒頭のエドが左足を持っていかれたシーンで、思いっきりびくっとしていたのが新鮮でした。
やっぱりあれは事前情報無しで見るとかなりショッキングなんですね。

投稿: りほ | 2007/02/02 17:07

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