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総作画監督という制度

ちょっと歌猫さまが面白い記事を書いていたので便乗。
総作画監督制
 
総作画監督制をとらないと聞いて喜んだのは、80年代にアニオタだった世代までなのかな、と。
 
子供の頃からサンライズのロボットアニメをずっと見てたけど(年がバレますな)、作画監督まで気にしてアニメを見たのは多分「鎧伝サムライトルーパー」だったと思う。
 
あれは本当にもう毎回絵がコロっコロっ変わっていて(笑)、でもそれがすごく面白かった。
未だに当時の作監の名前を言えるぞ。
塩山さん、逢坂さん、きさらかさん、黄瀬さん、森山さん、村瀬さん、進藤さん。金山さん。etc.
 
なんでここまで詳しく覚えているか、って言ったら当時ファンの間では、キャラやストーリー、声優と同じテンションで作監語りもまた重要な話題だったから。
いわゆるアニメーターファン同士の会話ではなく、今でいう腐女子の会話で、ですよ?
 
きさらかさんは秀がメインの話を担当、黄瀬さんは征士、村瀬さんは当麻……。
って感じに誰がメインの回かによって大体作監が統一されてたように思う。
勿論ローテがあるから違っている回はあって、今回は誰それが作監だったら良かったのに……。っていう話が普通に女性ファンの間でも飛び交ってた。
 
村瀬さんの絵は色気があって一部女性ファンが狂喜した反面、当の女性ファンの一部からすら女性ファンに媚び過ぎと不評だった。
結局村瀬さんはTV放映中一度しか作監をやっていなかったのに(あとはED担当)、これで急激にファンを増やし、1作目の「トルーパー」のOVAは、キャラデザの塩山さんを差し置いて作監を担当する事になった。
きさらかさんは太めのキャラを丸く可愛くかける人、塩山さんはキャラデザだったから一番安定してたけど私服がダサい(笑)、黄瀬さんは切れ長な絵が得意。逢坂さんはアクションがいい、けど下睫毛は勘弁。
森山さんの絵はファンブーイングの回で、それ以降一度も作監が回ってこなかった。助っ人だったのかな。
キャラの顔もアクションも上手くこなせてない、進藤さんも結構ファンに叩かれてたっ(笑)。
17話、18話と脚本も絵も良く話も盛り上がっていた中、前半戦の最終話とも言える19話で「何でよりによって作監が進藤さんなんだよぉ」なんて嘆きが普通に話題になってた。
 
今みたいにネットの無かった時代。ファン同士の会話や、同人誌のフリートークで、そんな事が語られてた。
  
なのに。
あの頃よりよっぽどお金かけて、何度も繰り返し見ているはずの「鋼」の作監の名前を実は私は覚えてない。
 
キャラデザの伊藤さんはともかくとして、あとは動きに定評のある中村豊さんと、アニメ誌の原画経由で覚えた、関口可奈味さんと、矢崎優子さんくらい。
だって本編ではあまり区別が付かないから。
比較すれば違いはあるのは分かってますよ。
関口可奈味さんと言えばあれですよ。エドが足を少女に奪われて顔からすっ転んで鼻水流してた回。ちょっと頬の輪郭を丸めにとる絵の方ですよね。ちゃんと区別は付きます。
けれど際立った違いではないから、逆に誰が描こうが気にならない。
 
これってどうなんだろう。
作品としての統一感という面で言えば水準は確かに上がる。
でも…・・・。
 
 
話がずれるけど。
逢坂さんが亡くなられた時に、追悼イベントが行われ画集が出たりもしたけれど。
まだ若い、第一線で活躍しているアニメーターさんが亡くなられたとしても、きっとこんな事はやって貰えないだろうな、と実はその時ちょっと思った。
アニメスタジオとその特徴を覚えていても、どれだけアニメーターの名前や絵の特徴を言えますか?

1アニメーターの絵をつかまえて「板野サーカス」なんて言葉が生まれファンを魅了した、今はもうそんな時代じゃなくなってしまったように思う。
 
これって、作品の絵の水準は上がっても、アニメーターさんのテンションはどうなんだろう?
作監になると、人の絵の修正ばかりで自分の絵をじっくり描く時間がとれない、なんて話をどこかで聞いた気がする。
なら総作画監督も同じなのかも?
それって、結局原画マンも、作監も、総作監も、誰も彼もが自分の絵を描けないって事じゃない? それって何の呪縛よ?(笑)

昨今「作画崩壊」なんて言葉(正しくは作画じゃなく原画?)はアニメタイトルに掲げられて語られます。
「キャベツ」アニメ=「夜明け前より瑠璃色な」なんて具合にね。

けれど、総作画監督制が瓦解すれば、作画監督1人がそれを背負う事になるんじゃない?
「このアニメは」ではなく。
「この作監は」上手い、下手崩れやすい。そんなファンの反応が名指しでダイレクトに返って来る。
成功が総作画監督に持っていかれてしまう代わりに、失敗を自分が背負う必要もなかった。
けれど、その大樹がなくなったら。
おちおちしていられない。成功も失敗も全部自分に跳ね返る。作監の力量が試される。
それぞれ個性的であれ、作画の良さへは繋がるんじゃない?
 
今、アニメを観る時に必ず気になってしまうのが脚本。
あ、台詞回しとか凄い好みだったな、って思ってクレジットを見ると。
大和屋暁さん、黒田洋介さん、大野木寛さんが担当している事が多いのだけど。

作監もね、そんな風にクレジットを見るようになるのかな。
勿論、あんまりコロコロ変わりすぎて、ついていけねぇ……って思うかもしれない。
やっぱりあの頃のように、なんでこの脚本にこの絵なんだよぉ、って嘆くかもしれない。
でもいまは。
この回は誰が担当したんだろ?? ってそんな風にクレジットを見れる事に、ちょっとだけワクワクしてる。

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