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鋼の錬金術師FA 第22話「遠くの背中」感想追記 ネタばれあり(原作ネタばれ含む)

FAは本当になんていうかすごくストレートなんだよね。
持って回った表現をしない。
まぎらわしいどっち付かずの表現をしない(ただし大人には色んな受取り方も出来る)。
子供でも理解出来るように、という配慮が随所に見られ。
だから一度自分で考え理解するワンクッションを置くよりも早く、ダイレクトにずんっと心臓まで届く。


今回、ウィンリィが親の仇を殺せなかった事に対して悔し泣きしてた。
殺せなかったのは、「人が人を殺してはいけません」とかそんな道徳的な理由が打ち勝ったからじゃない。

エドとアルが撃つなと言うから。撃たないでくれと頼むから。
大切な二人が自分の事を思って言っていると分かるから逆らえない。
二人を悲しませたくない。
目の前の仇を撃ちたいのに、殺したいのに。
そこに正義とか、倫理とか、道徳とか理性とかは存在しない。
綺麗ごとなんて言えない。
憎い、憎い、殺したい、悔しい、悔しい、悔しい。
どうして殺したらいけないの? どうして仇をとらさせてくれないの?

ウィンリィの心理は、被害者のそれでありながら、加害者のそれでもある。
引き金を引いたか、引かなかったかその違いしかない。


一方で、ウィンリィの両親を殺した憎き殺人犯のはずのスカーの過去被害者の面がさらされた。
スカーが目覚めた際に過ぎった、青い目のアメストリス軍人、キンブリーの攻撃、自分をかばった兄、あのフラッシュバックは、観ている側にも恐怖を与えるに充分だった。
そして何よりも、スカーが自分の右腕を見て兄が無事だと安心したあの一瞬の安堵の台詞。
「よかった兄者は助かった」と安堵する声はまだ口からこぼれているのに、先に気が付いた目だけが台詞と裏腹の驚愕の様相をしていた。
このタイミングが何よりも秀逸だった。
柔らかい声と、驚きに大きく開いた目が同居した一瞬。
視界に入った現実に、まだ声が追いついていない。
奈落に突き落とされる一瞬手前。その一呼吸。
受け入れがたい現実、絶望、アメストリス人への怒り、恐怖。


原作を読んだ時、スカーは戦争被害者だと確かに分かっていた。
だけど、それは、ただ分かっていただけだったんだ。

親兄弟を殺された恨みは分かる、だけど人を殺したらいけないでしょ?

そんな言葉、きっとスカーにも、ウィンリィにだって言えない。

憎しみの連鎖は断ち切らなければ、殺し合いは人が滅ぶまで永遠に続く。
そうとわかっていても、怒りの、憎しみのやり場がなければ辛すぎる。
気が狂いそうだ。

ここまでキツイものなのだと、私の理解は全然追いついていなかった。
おためごかしの倫理感など何の役にも立たない。
ここまで真正直に、抑えきれない復讐心を見せ付けられて。

FAを見ている子供たちは、これをどう受け止めただろう。
一度聞いてみたい気もする。
友達や家族と話し合うような機会があればいいな、と思う。


そして。だからこそ、この連鎖を断ち切った2人の姿が早く見たい。

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