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鋼の錬金術師FA 第27話「狭間の宴」感想 ネタばれあり(原作ネタばれ含む)

ネタばれ回避文です。最初は、あれもこれもーっって技術的な面白さの感想を色々書いていたんだけど。
今回、ホントに言いたい処はそこじゃないって気がして。
がっつり削除しちゃいました。

ただただ思うのは、トリシャがホーエンハイムに子供達を残していってくれてホントに良かったな、ってそれだけなんだよね。

今まで10年近く妻も子供も放り出して、それでも、元の身体に戻る為に頑張ってきたのは、その後に妻や子供たちとの生活が待っていると思っていたからこそだったはずなのに。
そのトリシャが逝ってしまって。
ホーエンハイムはすごく後悔したんだと思う。

こんな事をするくらいなら、アメストリスを捨てて、他人の死なんて無視して、家族4人ひっそりと暮らしてトリシャの死をみとってあげれば良かった。
人一人の人生なんて、ホーエンハイムの生きてきた時間に比べた本当に一時でしかないんだから、その一時を自分の為にではなく、トリシャの為にすごしてあげれば良かった。

だから揺らいでしまった。
元の身体に戻る意味を見失ってしまった。

人なら揺らいでしまって当たり前なのに、私、そんな事全然想像もしてなかった。

原作では話の流れ上、この時点ではまだホーエンハイムがエドの敵なのか味方なのか、もしかしたらお父様と同一人物なんじゃないか、って思わせていた時期だったから。
こういったエピソードを仕込む事なんて出来なかったんだろうけれど。
トリシャの死を知った後、ホーエンハイムが何を思ったかなんて考えも及ばなかった。

パーフェクトガイド3の荒川先生のインタビューを読んでいて思ったのだけど。
荒川先生が「いや、これマンガだから」と我に返り、リアリティより迫力や流れの勢いで押し進める事を選んだ処を、入江監督(それとも大野木さん?)はそこで踏みとどまっている。「でもこれは彼らにとっての現実だから」と。
それはリアルを描こうとしているわけではなくて。
もし自分がその立場だったらどう動くか? あたり前の心の流れを当たり前に描いている。
>だからクセルクセス遺跡では目の前の犠牲者に目をつぶり、誰も犠牲者を出さないなんて言う粗忽者のエドをカッコ良くは描けなかったんだと思うのよ、Tつさん。


リゼンブールでピナコに「もうお前の飯が食えなくなるなんて」と言ったあの台詞。
原作初読時にはホーエンハイムが国を滅ぼすつもりだからではないのか? と思わせ。
ホーエンハイムの罪が描かれた後は、自分がもう死ぬつもりだからじゃないのか? と気付かせるミスリードを狙ったものだったけれど。

FAのホーエンハイムは、お父様に刃向かう意思も消失し、もう国の消滅をただ黙って静観する気持ちと、いっそその時がくれば自分も死ねるんじゃないかって、そういう意味でのダブルミーニングだったのかもしれない。

だから、馬車が襲われた時の「化物だよ」のシーンも、「もうすぐだ」のシーンもカットしてしまったんだろう。
あの時点で、ホーエンハイムはまだ前を向くことが出来ないでいただろうから。

トリシャを失った絶望は計り知れない。
でも、それでもトリシャが子供達を残してくれたから。

トリシャの時のような後悔はしたくない。
ならば、その為には、子供達や大切な友人達だけ、有無をいわさず国外に連れ出してしまえばいい。
そうすれば自分の心の安寧は保てる。
けれど、もし、エドとアルを国外に連れ出してしまったら、2人はきっと永遠に元の身体に戻る機会を失ってしまうだろう。
(自分の中の賢者の石を、ホーエンハイムはその罪の証として、2人に使わせるような事はしないだろう)
ピナコは兄弟たちを支えこの国に残るという。

大切な人だけ連れ出して守るか、この地で全てを守るか。

「世話になったな」。
あのウィスキーは夢の中でピナコが渡してくれたものだった。
だから、きっと。
ホーエンハイムは引き続きこの地で、全ての人を守る為に動く事を決めたんだ。
ピナコに別れを告げたあの日から。
もう一度、全てをリセットして。

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