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物語におけるパワーバランス

ちょっと最終話の感想は小休止で全体感想です。その11が、間に合いませんでした。 
    
なにかの折りに2ちゃんで、荒川先生が「スレイヤーズ」のファンクラブに入っていたというネタを読んだ事がある。
ファンクラブの会誌のvol.8だかの表紙を荒川先生が描いたのだとか。
実は「スレイヤーズ」の小説は読んでないし、アニメも「NEXT」しか見てなくて、「情報」を知っているレベルの作品でしかないのだけど。
それでも。さもありなん、と思った。
 
・身体的コンプレックスを持っている主人公
・主人公は、人が恐れるような絶大な力を持っている
・主人公は賢者の石を捜す
・主人公と敵対していたキメラがあとで仲間になる
・身内に主人公が恐れるほど強大な力を持つ女性がいる
 
これ「スレイヤーズ」の事を言ってるんだよと言っても嘘にはならない。
これを接点が多すぎるととるか、この程度は良くある事ととるか、それは人それぞれさまざまだと思うのだけど。
 
一番最後の項目。
「身内に主人公が恐れるほど強大な力を持つ女性がいる」これが私は一番引っかかっている。
 
オリヴィエと少佐が2人がかりでも倒しきれなかった相手を、イズミは素手でぽい投げしてしまう。
あのシーンを読んだ時「いくらなんでもパワーバランス悪すぎだろ、己はルナ=インバースかよっ」と思った。
 
この時はまだファンクラブ云々の事は知らなかったのだけどね。それでもあのキャラが思いだされたんだ。
ルナ=インバース。
「スレイヤーズ」の主人公リナ=インバースの姉。
そのあまりの強さゆえに、回想シーンにしか登場しない。
作者曰く「物語に登場させると、パワーバランスが崩れるから出せな」かったらしい。
 
荒川先生が「スレイヤーズ」のファンだというなら、それを分かってたうえでイズミを登場させたって事になる。
パワーバランスの崩れが物語にどのように影響を及ぼすものなのか、挑戦してみたかったのだろうか?
 
まずはスレイヤーズと同じ手法、回想シーンに登場させた。
まだエド達も幼かったから、余計強く見えたのだろうと、読者にそんなフィルターを与える事も出来た。
 
そして登場。ここで病弱というストッパーが役に立つ。
なるほど、ストッパーがあれば例え実際に登場させても、パワーバランスが崩れる事はないんだ。
グリード相手の時も一端手を引いた。
あくまでも万国ビックリショーレベルを越えるようなシーンは描かれなかった。
 
そしてとうとう約束の日直前になってイズミのストッパーが無くなってしまった。
手初めにブリッグズ強襲。
これはまだ17歳の時のイズミに可能だった事をすでに番外編で見せていたから恐るるに値しない。
このくらいの事は、フルパワーが出せる今のイズミだったら簡単に出来るだろう、そう思わせた。
そして。スロウス戦。
オリヴィエと少佐が死に物狂いで戦った相手を意図も簡単に放り投げた。
「どれだけ強いんだ?」
そう思った読者は多いんじゃないだろうか。
エドだって北方でスロウス相手に1人で立ち向かうような真似はしなかった。
あの時は、戦車で押したんだよ?
氷柱が脳天を直撃してふらついた処を、エドとアルの二人で蹴り飛ばしてやっと落下させられた。
イズミの方がエドより断然強い、そう見えた。
 
ところが、お父様との戦いに来てその強さがいきなり鳴りを潜めてしまった。
蓋を開けてみれば、イズミの力はエドと大差ない国家錬金術師レベルになってしまった。
では何の為に大総統府であれだけ「イズミ最強」のイメージを打ち出す必要があったんだ? 
それが分からなくなってしまった。
 
これではイズミが強いのではなく、オリヴィエや少佐をはじめとした北方軍がさほど強くなかっただけじゃないか?
ならば逆にエドはどうなんてるんだ? いつの間にイズミと並ぶほど強くなったんだ?
 
「強さのインフレ」は、ヒエラルキーの頂点だと思ったら実はそこは頂点ではなく頂点はもっと上だった、という状態の連鎖を差すのだけど。
鋼は、ヒエラルキーの方が勝手に沈んでいったような気がする。
ヒエラルキーの天辺を100とした場合、主人公は0から登っていたのに、ヒエラルキー自身が徐々にずぶずぶと沈み、0だった時の全体像からしてそこは30くらいだろうと思ったら、いつのまにかそこが天辺になっていた、そんな感じ。
 
これが間違っているかというと。
結局世の中ってそういうものなんだよねぇ。
いつまでもガキだガキだと思っていたらいつのまにか追い抜かれていたり。
そういう意味で、この構図は決して誤りではないと思う。
     
ただ「イズミとオリヴィエ」。この二人の力関係だけは、どうにも歪になってしまったのが残念でならない。

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コメント

オリヴィエは軍将校として部下を指導するという、
組織力の面においてはかなりの実力者だと思いますが、
単体での武力はそれほど強調されていないのであんなものだと思っていました。
普通に一対一で戦えば、イズミ>>>>オリヴィエで、そういう意味では二人が互角だと感じた事はないです。
イズミは人形兵たちに真っ向から向かっていく、オリヴィエはその事によって落ち着きを取り戻した中央兵たちに指示を与える、と役割分担が成されていてあそこら辺の戦闘シーンは好きです。

>名無しさま
好き嫌いの話だけをするなら、私も好きですよ(笑)。
 
「イズミとオリヴィエ」とか「二人の」って書き方をしたのがまずかったなぁ。ごめんなさい。
 
「オリヴィエ」と書いてしまいましたが実際には文中にある通り、スロウスと対じした「エド達とオリヴィエと北方軍」。そして「オリヴィエと少佐(と中央軍)」を差しているつもりで書いてました。
つまり。
イズミ>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>スロウス>「エド達とオリヴィエと北方軍」=「オリヴィエと少佐(と中央軍)」
この図式についてもの申しているわけです。
 
まあ、オリヴィエも、マイルズとサシで勝負しようとしたくらいですから、決して弱いわけではないのでしょうけれど。
  
元記事今から書きなおすと言い訳くさいなぁ。
そのままにしとこうかなぁ。

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