« 一番くじ | トップページ | RAIDEN »

鋼の錬金術師は魔女っ子だった(笑)

こういうおバカネタは自分で書くより、その辺り詳しそうなアニメ評論家の方の蘊蓄語りで読んでみたかったんですが。
待望の「ユリイカ」にもその手の類似性をあげる話は無かったので自分で書いてます。
勉強不足な点がありましたらごめんなさい。
さて。
    
「アニメやコミックにおける多くの平凡な作品であれば、主人公が敵対者以上の全能の力を獲得することによって勝利する、という展開が描かれるのだが、ハガレンの物語が卓越しているのと思われるのは、むしろ主人公が、全能性への欲求を断念する事によって敵に打ち勝つとされている点である」(ユリイカ 12月号 p96)
とありまして。
いや、本当は戦いはすでに終わっていたわけだから打ち勝つってのは微妙な言い回しなんですけどね。
戦っていた時点では、確かに地下の賢者の石が破壊されてパワーアップしていたわけですから。
まあでも。ふむ。
確かに、最後に力を使いきり失ってしまう話はあっても、自主的に力を放棄するのは少年マンガには無かったかもしれないなとは思ったものの。
にしては新鮮味より王道な流れを感じたのは何故だったんだろう? とずっと悩んでいた……わけでもないんですが(え?)。
その理由にやっと気が付きました。
 
 
そうか。これって少年マンガじゃなくて、魔女っ子ものの王道なんだわ。
 
プリキュアやなのはも今は魔女っ子と言われているんでしょうか? 
その辺りをまったく知らないのであくまでも自分の見ていた魔女っ子もの、いわゆる「ぴえろ魔法少女シリーズ」について書いています。
しかも当時は流し見レベルで記憶があいまいなので、記憶違いがあったらごめんなさい。
一応魔女っ子アニメ列伝を参考にさせていただきました。
  
覚えている&調べた範囲内で最終話はこんな感じ。
  
魔法の天使 クリィミーマミ
魔法の最後 : 返す期限が来た為返却
主人公の魔法観 : もう魔法がなくても大丈夫。魔法を使わず願いは叶った
 
魔法の妖精 ペルシャ
魔法の最後 : 目標が叶い魔法を返却?
主人公の魔法観 : 魔法でも叶えられないものがあることを知る
 
魔法のスター マジカルエミ
魔法の最後 : 自分の意志で魔法を返却
主人公の魔法観 : 魔法を使わず自分で学び身につけていく面白さを知る

魔法のステージ ファンシーララ
魔法の最後 : 魔法アイテムを紛失
主人公の魔法観 : 魔法を使わず一歩一歩成長していく事の大切さを知る
 
 
彼女達は最後に必ず魔法の力を失います。
そして。
彼女達が魔法の代わりに手に入れるのは、アイデンティティ。自己の確立。
魔法の力は自分の力じゃない。一時の借り物、だから返却する。
そして、自分の欲しいものは自分の力で手に入れる事の大切さを知ります。
 
さて。
彼女達の魔法観を「錬金術観」に置き換えたらどうなるか。
  
もう錬金術がなくても大丈夫。錬金術が無くとも願いは叶った
錬金術でも叶えられないものがあることを知る
錬金術を使わず自分で学び身につけていく面白さを知る
錬金術を使わず一歩一歩成長していく事の大切さを知る
  
「鋼の錬金術」のテーマと重なってくるものがかなりあるのではないでしょうか。
 
彼女達の魔法は、今の自分より大人になれる魔法でした。
大人になれば今の自分に出来ない事も出来るようになる。そう信じて自分に魔法をかけます。でも。
身体が大きくなり今の自分より物事がスムーズに運べるようになっても、結局心が育たなければ意味がない事を彼女達は魔法を通して学びます。
 
ここら辺が少年マンガと違う処。
少年マンガの力は自分達が修行によって得たものだから、それを返す必要性を主人公も読者も感じません。
戦う事で強くなる事イコール成長として捉えている節があります。
  
ひるがえって。では鋼の錬金術師はどちらだったのか。
錬金術は修行によって高度な事が出来るようになる、という意味では確かに少年マンガの流れに近いかもしれない。
けれど、結局自分の身から湧く力ではなく、地殻エネルギーを使うという点では魔女っ子の魔法に近い。借り物の力です。
魔女っ子達が、最後に何も持たない手で何かを手に入れる様は、エドが錬金術ではなく素手でラスボスを倒し、素手でアルの手を握る姿にも重なります。
そして、上にも書きましたが心が育たなければ意味が無いという考え方は、鋼の最後のあのナレーション(?)に重なるのかもしれません。
 
だからエドは、成長する為には魔女っ子達同様その力を返却しなければいけなかった。
もう錬金術に頼らなくとも自分は成長していける。
それを証明する為にも、錬金術の放棄はエドにとって必然だったのでしょう。
 
ちょっと話がそれますが。
男の子って今も昔も学校ではトイレの個室に入らないんですよね。
宮崎駿氏が昔「ナウシカはトイレに行かない」発言をしたり。
昔、アイドルの女の子は「トイレに行きません」って答えさせられたり。
尾篭な話ですみません(笑)。
何が言いたいかというと。
男の子って女性全般強いては人間ってものへの幻想が強いんじゃないかと。
だから男の子達は、努力と根性で必ず勝利は手に入る幻想物語を少年マンガに求める。
 
対し女の子は、夢(=魔法)はいつか覚め、現実と向き合わなければならない事を知っている。
魔法は幻想でしかなく現実に戻ればちっぽけな存在でしかない己れを知る、そんな魔女っ子達に、女の子達は自らを重ねて見るのでしょう。
女の子の方が現実主義なんて言われるのは、こんな子供の頃からそれを強いられるあるいは心得て育つからなのかもしれませんね。
 
ならば「鋼の錬金術師」の最後に現実に帰る終わり方は、女性が少年マンガを描いた事の必然であるのかもしれません(他の女性の描く成長ものバトル少年マンガと比較した事がないので確かな事は言えませんが)。
 
 
 
 
 
余談まじりに。
「クリィミーマミ」の物語は、最後こんな風に終わります。
  
優「ポジも、ネガも、帰っちゃった…」
俊夫「でも、優がいるさ」
そしてEDは最終話のみの特別映像。
静止画によるみんなの未来図

ネガ&ポジそっくりの猫を拾ってくる優
デート中らしき優の友達
ライバルだった歌手の婚約会見などなど。
そして最後は。
子供を見守る夫婦らしき主人公達の写真
 
ありゃりゃ?? どこかでそれ、見ませんでしたっけ???(笑)
 
最終話 Bパート

最終話 ED

※「ぴえろ魔法少女シリーズ」の4作目「パステルユーミ」は最終話を見た記憶が無い事、ネット上でも最終話の詳細を書かれた記事が見当たらなかった事、打ち切りにより最終話が唐突だった事、また彼女の魔法は大人になるものではなく描いた絵が一時的に本物になる魔法だった事などの理由から除外しました。

« 一番くじ | トップページ | RAIDEN »

コメント

タイトル見た時点で、魔女コスのエドっちが頭の中走り回ってるんですがっ!!!
もちろん、その後の本文の内容なんぞ、ちっ~とも頭に入ってきませんとも(笑)ダメじゃん・・・・

ああッ! 面白い記事なのに魔女っ子ものに造詣がないせいで全然ピンと来ない(泣)
そして荒川先生が魔女っ子ものを見てる姿も全然想像できない(笑)

とりあえず「借り物の力を持った主人公」で思いついたのはうしおととらのうしおですね。全然魔法じゃないですが。
「獣の槍」って最期どうなりましたっけ…? うろ覚えですが返却には当てはまらなかったような…ぶっ壊れたかもしれないけど

こんにちは。

たいへん興味深く、楽しく拝読いたしました^^

>魔女っ子ものの王道

…言われてみればっ!
私も魔女っ子ものには詳しくないけど、なんか納得してしまいました。
「おジャ魔女どれみ」のラストでも、魔女見習いのあの子たちはみんな、本物の魔女になることよりも人間として生きることを選んだのでした。
エドの錬金術とは違い、彼女たちの魔法は ごくささやかなものだったけれど。
それは、迷っている人の背中をほんのちょっと押してあげるとか、悩んでいる人にちょっとしたヒントをあげるとか、難病の女の子の夢を一晩だけ叶えてあげるとか。

そんな ささやかだけど優しい魔法を、もう使えなくなると思うと きっと寂しかっただろうし、少しは未練もあっただろうと思うのです。

でも、彼女たちは最後にそれを放棄した。
本物の魔女になればもっとすごい魔法も使えるのに、魔女になって魔女界に渡るより、人として生きるほうを選んで現実世界に帰ってきた。

…似てる~!!!
目からウロコの新発見でした(笑)

>アメショーさま
ダメじゃん!(笑)
いや、でも魔女っこコスのエドってどこかにありませんでしたっけ? あれ? ピナコだった? それとも同人?
記憶が怪しい…。

>ぽんずさま
あはは、いい年して魔女っこもん見ていたこちらが多分珍しいと思いますので、ご安心を。
世代的にもぴえろの魔女っ子もの見てた人で鋼を読んでた人(観てた人はいても?)は少ないだろうなぁ、と我ながら思いましたもん。
    
荒川先生が魔女っ子ものを見てる姿も何も、果たして当時北海道に民放何局あったんでしょうね。放送されていたかどうかすら疑問かも(笑)。
 
>「うしとら」
実は私も最終話で「獣の槍」がどうなったかを思い出せなくて。うしおの最後は何となく記憶にあったんですが。
調べたらこんなところが引っかかってきました。
http://neoending.web.fc2.com/anime/agyou/usitora.htm
なのにこれを読んですら所々しか絵が思い出せないいいいいっ。どんだけ記憶力ないんだよ……orz。
とりあえず、返却ではなかったようですね。
 

>asagiさま
おお、「おジャ魔女どれみ」!
そうそれっ、それもありましたよね。
これも返却だったんですか。
情報ありがとうございます。
これで、エド魔女っこ説は更に信憑性が増した?(笑)

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 鋼の錬金術師は魔女っ子だった(笑):

« 一番くじ | トップページ | RAIDEN »