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ユリイカ 2010年12月号 感想2

"生き物の感触"を持った少年マンガ 藤本由香里

「それが禁忌だと知っていても」にダイナマイトを挙げているけれど。
そもそもダイナマイトは殺戮兵器として発明されたものではなかったはず。
鉱山での発破目的だったと思ったけどな。
ちょっと調べてみただけなのだけど。
 
禁忌どころか、その際に使うニトログリセリンをダイナマイトによって安全化した。
だからのこそ発明者の名をとった「ノーベル賞」が生まれたんじゃないのか?
ダイナイト-Wikipedia
ダイナマイト
 
核だってそもそもエネルギー開発であって、第二次世界大戦によって兵器としての開発に切り替わったんだよねぇ?
核兵器-Wikipedia
原子力-Wikipedia
 
なんか適当な事書いてないかなぁ。それが第一印象。
 
「もし誤って(あるいは故意に)ヒトと他の動物との合成獣が誕生してしまったら」とあるのだけど。
この人がいう「合成獣」って何なんだろう? 誤って作れてしまう状況というのがよく分からない。
 
豚の細胞ってこれのことだよね。
彼女にとって移植は合成じゃないらしい。
イノブタなんてものもあるけれど、異種の掛け合わせは合成と違うのか?
ならばぶっちゃけ彼女にとって、人間の卵子に動物の精子を体外受精させたものも「合成獣」ではないのだろうなぁ。
これが例えばさ。
 
すでに現実社会において合成獣の片鱗は存在していると言える。
けれど、自分がヒトの境界にあると思えばそれはヒトなんじゃないのか?
ホーエンハイムだって言わば、ヒトと賢者の石の合成獣だ。
けれどホーエンハイムはアルに「核はあくまで俺という人間だから」そう言いきっている。
境界は自分が選ぶんだ。
 
とかね。そんな風に持っていくのなら分かるのだけど。
 
彼女の語る「合成獣」は、鋼同様のファンタジー世界か、マッドサイエンティストの物語でしかない。
蝿男とか、女神転生の悪魔合成システムみたいな感じ?
ここでいきなりそんな非現実的なものが「誤って」行われると言われてもなぁ。
   
自分で理解しきれていないものを付け焼刃で語っているような感じがしてならない。
そんな事せず、自分の専門分野だけにこだわって論じれば良かったのに、と思ったのだけど。
藤本さんの専門分野ってマンガ評論だものね。内容を掘り下げるのは難しいか。
何せマンガとひとくくりにするには、ファンタジー、SF、スポ根、恋愛、エロ などなどマンガのジャンルは幅広過ぎる。
小説には、ミステリ評論家や、ファンタシー評論家がいるのに、何故かマンガにはそれが無い。
一人で全ジャンルの知識を語るなんてまず無理でしょう。
 
なら、マンガ史全体からみて鋼がどのような位置にあるのかとか。
その辺りから切り崩して貰った方がもっと楽しいものが読めたんじゃないだろうか?
   
そして後半は、「輪郭」という言葉が新たに使われただけで、前回の「ユリイカ」のインタビューの焼き増しでしかなかった。

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