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ユリイカ 2010年12月号 感想11

二十世紀型人工装具と機械鎧 原克

小泉氏がサイボーグ否定派なら、原氏はまさに肯定派。

この人の文章読みやすいなぁ。
問題提起とか仮説とかのいわゆる論文調ではなく、義肢の歴史を書き連ねているだけだからなんだろうけれど。
本当にこの義肢の歴史が好きなんだろうなぁ。
読んでいて楽しくて仕方がない(笑)。
 
この微細な筋肉電圧量「筋電図信号」、通称「EMGシグナル」を増幅させ、義手に内蔵された「小型高速回転モーター」を起動させる。「毎分七八〇〇回転」するモーターが糸を通した軸を回転させ、ちょうど自動車のジャッキ内部のネジのように動く
この文章に、シャンバラで、エドが義手をフルスロットル利かせてノーアを助けたシーンが脳裏によみがえった人は少なくないんじゃない?(笑)
 
そうかこれって1969年の科学だったんだなぁ。
もっとかなりこう、オーバーテクノロジーなイメージがあったんだけど。40年程度だったのか(いや、充分遠いんだが)。それでもやっぱり、医者が何も聞かずに、手に肌っぽいゴムを付けてくれたのかは不明だけど(笑)。
と、このあたりはかなり軽快良く読めたんだが。 
  
 
最後にまとめに入ると途端に読みづらくなるのは何故なんだ? 今までの明快さはドコへ行ったぁぁぁ???
 
「身体と機械を通分する「共通の基盤」とは一体何なのか? それは「賢者の石」である。
えーと……。別に、機械鎧と肉体の接合に賢者の石は使っていないと思うんですが。
 
「身体と機械の原理を架橋するもの、それは、鎧に刻印された「六芒星」だ。」
え、えーと、これアルの魂を定着している錬成陣のことを言っていると思って、いいんでしょうかねぇ?
尖がり部分を数えるだけなら八個あるんですが。
それとも、ホムンクルスの六芒星の事を言ってるのかな??? いやいや、別にあいつらは身体と機械とか全然関係ないし。

あ……もしかして。 スライサーぁ? 
 
(本棚がさごそ) あ、六芒星だよっ!!! 
………そっちがメイン……なの、か??

………ま……まぁ…確かにアルのも六芒星を内包していると言われれば言えない事も無いか。
まったく方向違いでも「共通の基盤」であるという意味では、趣旨としても合ってる。うん(【2/11追記】 ちなみに、八芒星は「再生」の意(“伝統”数秘学批判 ――「公然と隠された数」と周回する数的祖型図像 [4] “1”の時代(“8”の時代)~「元型的日曜日」) 参照)
あ、そういえば「六芒星」は錬金術的には「賢者の石」(完全なものだから?)を表しているとも言われているので、確かに合ってるか。ここでいう「賢者の石」は、『鋼』的な「賢者の石」を差しているわけではなく、象徴的な意味で言っているのかも。
  
んじゃあ、六芒星が基盤だと言うのなら。
ホムンクルスの六芒星も、魂の代りの「何か(精神? 心?)」を肉体に定着させているのだとしたら面白いな。
だから、肉体に固定されないプライドだけがあのウロボロスのマークが無かった理屈が成立するぞ。
でもそれなら他のホムンクルスはウロボロスを狙えば一発で勝てたって理屈になるよなぁ。
いや、違うか。再生能力の方がそれを上回るなら問題ないか。
肉体と一緒にウロボロスのマークも再生された処で再度定着されるなら問題無しだ。
 
ちょっと図に乗ってみる。
 
真理の扉の前にいたアルのように、ホムンクルスも真理が肉体を纏っている状態だったりと考えてみる。
魂がなければ真理の扉はくぐれないが。
ホーエンハイムの主人と同じ方法を取ればいい。
真理の扉から引っ張ってくる。
ホーエンハイムの主人は通行料を払っていない。ならばあれは人体錬成ではない。
魂に干渉しないものは人体錬成とは認識されない。
フラスコの中の小人は真理の扉の中の何かだったけれど、その応用で真理を引っ張ってくればいい。
となればラストの台詞「私達の方が真理に近い」も納得がいく。
「人」ではないホムンクルスに真理の扉があるのか疑問だが、
フラスコの中の小人にだってあるんだから、あると言えない事もないか?
いや、逆に、こちらに真理がいるから、真理の扉が無くなってとかいう屁理屈も捏ねられる。
 
いかん、さすがにそれは苦しすぎる。
  
 

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