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エドが錬成したもの

最初に考察記事は4つくらいと書いたけれど。もうちょっと増えそうです。まずは3つ目。


何故、エドははなからアルの肉体を取り戻すことをあきらめてしまったのだろう。
  
「俺の腕一本じゃおまえの魂しか取り戻せなかった」といっていたけれど、それって嘘だ。

だって。
なら、もしエドが体の全てを差し出していたら、アルの肉体も戻ってきたのかな?
答えはNoだ。

エドは、アルの全てを取り戻そうとして錬成し、その結果、魂だけしか取り戻せなかったわけじゃない。
だって、エドは鎧の肉体を最初から用意し、そこに錬成陣を書いてたもの。

もしこの状態で、アルの魂と一緒に肉体も取り戻せていたならどうなっていた?
魂を肉体から引っぺがして鎧に固定し、その隣には魂のない肉体が転がったのだろうか? あるいは、肉体ごと魂が鎧に固定されたのだろうか?
とんでもない状態になっていたことはたしかだろう。

エドが行ったのは、あるいは意識したのは「アルの魂だけを取り戻す」錬成。

それが真理の扉を見た者だからこそ分かってしまった物理的不可能事実によるものなのか、片足の通行料では魂を引っ張り出す知識しか得られなかったのか、エドの体力の限界によるものだったのか、それは分からない。
   
わからないけれど、エドのその行動から、すでにもうエドは、はなからアルの全てを取り戻す事をあきらめ、思考から排除していたことだけは確かだ。

「鋼の錬金術師」という物語は「あきらめる」事を否定している。
けれど。
「鋼の錬金術師」は、あきらめないことからではなく、あきらめてしまったことからこの物語は始まっているんだ。

そこに後悔があるからこそ、エドはあきらめることを極度に嫌っている、という持っていき方だってあったろうに、もったいない。

こんな風に、たったひとつの設定も使いようによっては2にも3にも意味を持たせ物語の層を厚く、より重厚なものに仕立てる事が出来たろうに。そんな事ばかり思ってしまう。


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