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會川さんのこと

先日、土曜日に「UN-GO」の因果論を観に行くのに際し、久しぶりに會川さんのTwitterを覗いた。
  
ミステリ作家の、芦辺拓さんや、我孫子武丸さん、辻真先さん、小森健太朗さん、ミステリ評論の千街さん、ミステリに強い出版社の東京創元社、コロンボ評論の町田暁雄さんら をフォローしていたり。ミステリ作家の綾辻行人さんのツイートに返信していたり。
 
今度「Another」がアニメ化される綾辻さんと、今ミステリ作品をアニメ化している會川さんが、対話しているのって、ミステリファンでアニオタな自分にはなんか妙にくすぐったい組み合わせで。

しかも。 昔、小野さんのゴーストハントが會川さんの脚本でCDドラマ化されたのだけど。
その時のポストスクリプトに小野さんが、夫婦そろって(綾辻さんは小野さんの夫君)會川昇さんのファンなので、會川さんが脚本ならという事でOKした。というような事が書かれていた。
  
ホラー好きの二人が好きだった作品なら、やっぱり「吸血姫美夕」かな? と思っていて。
そんな事を思い返していたら、久しぶりに「吸血姫美夕」を観たくなった。
  

  
私が「吸血姫美夕」で好きなのは、あとにも先にも初期のOVA版で、それがまさに會川さんが脚本のシリーズなのだけど。
その中に、「脆き鎧」という回がある。こんな話。
  
鎧の化物が現れる。鎧の化物は言う。「狩れるものなら狩ってみろ 神魔のオレを」。
神魔を狩るヴァンパイア美夕への挑発。だが美夕はそれを拒絶する。
実は鎧の化物は神魔ではなく、一度死んだ身体から、神魔によって鎧に魂を封じ込められよみがえった人間だった。
そしてその対価は、死んだ自分の肉体と、新鮮な魂。
その新鮮な魂とは、夫を生き返らせる為に、妻が自ら神魔に捧げた己れの魂だった。
鎧の化物となった男は、それを忘れたくて自分は神魔だと思い込んでいたのだ。
美夕の力によって、自分が人間であることを思い出した瞬間、機動隊の銃により彼は殺される。
人間は、神魔を狩る管理者ではなく、人間の法によって裁かれ死なねばならない。

「脆き鎧」  
  
鎧に人の魂っていうのが、何かを彷彿させるでしょっ(笑)。
まさか10数年後、またこの設定を使った物語で脚本を書く事になるとは、會川さんも当時はそんなこと思わなかっただろうなぁ。
  
久しぶりに美夕を観直して。うん。だからかな、と思った。
會川さんは原作以上に、鎧である事のアルの悲しみや辛さをかなり引っ張って描いていた。
   
OVAの「美夕」はもともと最初から最後まで果てしなく救いの無い物語なのだけど。
「脆き鎧」は刹那な幸せもなく、悲劇しかない。
記憶を失くし現実から逃げた事が許せないと美夕は言う。自分はどんな辛いことも全て覚えて生きているからと。
  
會川さんの描いたアルは、事実を受け入れられず現実から一度目を背け、背けながらもそれでも前を見ようと、その過程が丁寧に描かれていた。だからこそ痛いし辛い。
立ちあがって歩くだけじゃない。目を瞑っていないか。目標は定まっているか。前を見据えているか。
そこまで人の心を掘り下げて物事を描いている。

會川さんはおそらく、物語ありきではなく人の心ありきなんだ。人の心が動くことではじめて物語が動く。
物語に必要だからキャラクターを配置するのではなく、キャラクターが動くからそこに物語が生まれるんだ。
だからご都合主義的な流れを感じさせず、視聴者の心はキャラクターと同化して一緒に揺れ動く。
  
それが、水島版鋼の面白さであり、UN-GOを面白いと思う理由なんだろうなぁ。

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