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UN-GO「第6話 あまりにも簡単な暗号」 ネタバレ感想

俄然面白くなってきたっ。
何これ。キタよ。来ちゃったよ。
これってば「後期クイーン問題」なのと違う?
   
一部、原案「アンゴウ」の内容に抵触しています。
一番最後のブロックのみです。先触れで、以降触れている旨の記載をもうけています。
読む予定のある方はご注意を。

「後期クイーン問題」とは、ミステリ作家の法月綸太郎が提唱した「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できない」こと。
後期クイーン的問題 Wikipedia
  
作中人物である探偵は、謎解きの為の情報が全て提供済みか否かを知る事が出来ない。
それを確実に知る事が出来るのは、神の視点を持つ作中の外にいる人物のみである。
探偵の最終的な解決に必要不可欠な情報が欠けていても、作中人物たる探偵はそれを知る事ができない。
(実はまだその評論をきちんと読んでないので、一般的に言われているレベルで書いてます)
 
推理ゲームのようにこれを解けばそこから回答を導き出せますよ、とあらかじめ定義されたうえで行われるわけではない。探偵が犯人を断定した後にそれを覆すような新事実が発覚するかもしれない。

本当は、これって別に探偵に特化した問題ではなく警察でも起こりうるもので、人それを冤罪というのだけどね。

探偵は得てして、警察のように足で情報を稼ぐより、頭脳のみで真実を暴く事が多いから余計そんな風に見られるということなのだろうけど。

麟六が意識的に冤罪を誘導しているのに対し、新十郎は正義と称して冤罪を誘導してしまっているのかもしれない。

そのどこに違いがあるのか。


この間、ワセダミステリの有栖川先生の講演会に行ったのだけど、そのとき。
ミステリは殺人事件の起こるものがやっぱり一番面白い。殺された当人か、あるいは探偵の推理でしか、その真相は分からない。
「日常の謎」(人の死なないミステリ)の場合、「何故だろう? と思うなら直接本人に聞けや、と思ってしまうから」と答え笑いを誘っていたのだけど。
まさしく至言。
そもそも矢島が直接麟六に尋ねれば何も問題など起らなかったのだから。
けれどそれが出来ないのは、人に「心」があるからだ。


思考機械と称される探偵の出てくる小説がある。
けれど、探偵とは謎を解くただの機械になってはならない。
機械を使った物理的捜査を行ったとしても、探偵自身が機械になってはならない。
探偵とは、どうあってこそ、どこに向かうからこそ、そこに存在する意味を見出せるものか?

「UN-GO」という言葉の意味にこのあたりの答えがあるのだったりしてね。

以下、原案ネタバレです。
 
  
  
 
今回、原案の「アンゴウ」は、いわゆる「えぇ話」系。
謎解きをめぐるあたりは、今回かなり原案に近い。
右手、左手のくだりも含めてね。ただ子供達は戦争で死んでしまう。ネグレクトではなく空襲で。
自分達にとっても父親にとっても大切な本を1冊でも多く防空壕に持ち込もうとしてその最中に空襲で死んでしまう。
偶然その本とメモに巡り合えたのは、戦争から帰ってきた自分に子供達が会いに来てくれたのだろう。そんな優しい物語。

もし音声を消し、絵だけで見たなら、おそらくほぼ原案通りだったと勘違いするだろうなぁ。
相変わらず面白い作り方をしてくれる。

ちなみに冒頭、矢島と一緒に収監されてた「丹後弓彦」と「土居光一」は、安吾の「不連続殺人事件」の登場人物。

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コメント

おおぉー!いつも感想楽しみに読んでおります!!
今回の第六話、面白かったですよね。
毎回ながら観しかできずさらにミステリ全然詳しくないので、りほさんの感想をいつも新鮮な思いで拝読しておりました!

>麟六が意識的に冤罪を誘導しているのに対し、新十郎は正義と称して冤罪を誘導してしまっているのかもしれない。

麟六が悪(というか大人の事情)で新十郎が正義(王様は裸だ!的な)で描いていましたが、ここへきてわからなくなってきた上に新十郎にはストーカーまでついてきましたねwww

先がかなり楽しみです。

>さやさま
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
いやいや、コアなミステリファンからすれば、私なんてミステリの感想書くなんざ10年早いと怒られてしまうレベルなんですけどね。

>新十郎にはストーカーまでついてきましたねwww
ストーカー(笑)。
いいですよねぇ。だんだんこう話が濃ゆい感じになってきて。會川節全開?
最後に出てきたストーカーの後ろにいた少女
は、因果論のキーキャラクターなんですが。因果論を観た人だけが彼女にどんな能力があるかを知っているわけで。
すでにそこから、ちょっとこの先の展開が想像(妄想?)出来る状態なんですよ(にやり)。

先日はありがとうございました。おかげさまで真朱さんにお会い出来ました。
真朱さんもしっかりUN-GOにはまっているようで、色々語りあえて楽しかったですー。

久しぶりにTBとリンクさせていただいたッス!

どうも感想の書き方を忘れちゃって、あらすじになってしまうという
ダメダメ記事しか書けなくなってますがOTL

>真朱さま
ありがとうございますっ。

いえいえ、久しぶりに真朱さんのクールな感想が読めて嬉しかったです。

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